企業が求める人材は16年連続「コミュニケーション能力」その打開策とは
■対人コミュニケーションが上手くいかないわけ
対人コミュニケーションには苦手な相手との対応力も大きなポイントになります。
自分自身と調和をとるうえで、苦手な人は、自分の悪癖を確認させてくれるために表れるという捉え方で見ていくと、分かりやすくなります。
苦手な相手とどうやって仲良くなるかではなく、この人を苦手と思う自分自身の問題点は何かと考えていくということです。
自分を責めるのではなく、苦手だと思ってしまう自分の中の要因を見つけていくわけです。
私は以前、すぐに血相を変えて怒りやじれんまをぶつけてくるあるラジオのディレクターに怯えていたことがありました。
私はパーソナリティーを担当していたのですが、顔を見ただけで、委縮してしまうため、自分らしさが全く出ないだけでなく、原稿読みを間違えたり、とにかく日々動揺していました。
ですが、その原因は私自身にありました。
理不尽なことで怒るディレクターに対して、「自分の意見が言えなかった」のです。
言えなかった理由は、私が自分の意見を言うことで、相手が気分を害して余計怒りに拍車がかかるのではないか、クビになるのではないかと、思っていたからです。
ですが、この気弱さが、相手の怒りを増幅させる根源でした。
「嫌われても、クビになってもいい。理不尽な相手の言葉にはきちんと自分の意見を言おう」
そう腹に決めた瞬間、相手は氷が一気に溶けだすように、信じられないほど態度が変わりました。
怒りや苛立ちを私にぶつけることがなくなったのです。
自分が変われば、相手は必ず変わる。
これは、何度となく経験してきました。
コミュニケ―ション能力をつけるための打開策は、対相手よりもまずは自分と向き合う習慣です。
企業の皆様は、そのための研修を真っ先に取り入れ、セフル・コミュニケーションを整え、土台を作った後に、対人コミュニケーションについての研修を行ってはいかがでしょうか。
何よりも、指導する立場にいる現役社員の皆様ご自身が、自分自身と調和をとっていくということが、新入社員のコミュニケ―ション能力を高めていく第一歩であり、最大の打開策であると考えています。
[文:桑名涼子オフィシャルサイト|司会者|トーク診断士|タレント(http://ryoko-kuwana.net/)]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
桑名涼子(くわな・りょうこ)
司会者/トーク診断師/心理カウンセラー/エッセイスト/タレント
キャスター、パーソナリティー、コメンテーター、エッセイストとして「言葉」を軸に活動すると共に、トーク診断士として、人のしゃべりのタイプを8つに分けたコミュニケーション・ツール「相性を育てるしゃべリング8」を考案し、メディアや、企業の人事、人間関係、恋愛などのコンサルに活用。
また、全国各地で、「コミュケ―ション」と「言葉・会話・プレゼン力」等をテーマに、「笑って、動いて、感じる講演」を実施。受講者は1万人を超える。
「エキサイティングで安心できる司会者」をモットーにイベントや式典、トークショーなどで、司会者として活躍する。
著書「モテる!美人トーク」(ファスト出版)/「ユンユンの大好きな人」(双葉社)他
<座右の銘>
「面白い人でいたいから、面白いことをやっていたいと思う」
●桑名涼子オフィシャルサイト(http://ryoko-kuwana.net)
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