【スポーツメンタル】心も強靭なアスリートの育成につながるレジリエンスの重要性
【論文から学ぶ】レジリエンスと精神的な健康の関係
イランのギラン応用科学技術大学の研究者らによる研究(※)は学生の精神的健康を維持・改善するための精神的な困難に対する耐性とレジリエンスの重要性を調べました。
この研究ではレジリエンスの定量的な評価には、高いレジリエンス能力をもち、PTSDを発症しない人の特徴と照らし合わせるCD-RISCと、神経症者の症状把握、評価および発見に用いられているGHQ精神健康調査を用いました。 ギラン応用科学技術大学の学生155人を対象にした研究の結果、体の丈夫さ、精神的健康とレジリエンスの間には有意に関係があることが示されました。
特にレジリエンスが増すほど、身体的な症状、不安症状、社会的機能不全、抑うつ症状は減少し、結果として精神的健康状態が改善することがわかったそうです。 このようにレジリエンスはメンタルのみならずフィジカルの健康にも大きく関与する要因であると言えます。
レジリエンスを高める秘訣は「自己効力感を高める」「思考パターンを変える」「周囲と繋がりを持つ」
レジリエンスを高めるためには、自分自身が特定の状況やタスクに対して成功する能力を持っているという信念である「自己効力感」を高めることや、後ろ向きな思考の癖を改め、物事を前向きに考える方法である「ABCDE理論」の実践、コーチやチームメイト、家族など、周囲の人々からのサポートを受けると言った方法が効果的です。
レジリエンスは鍛錬によって向上させることもできるため、まずは自分の身近な点から改善していってみましょう。
[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会
代表理事 鈴木颯人
1983年、イギリス生まれの東京育ち。7歳から野球を始め、高校は強豪校にスポーツ推薦で入学するも、結果を出せず挫折。大学卒業後の社会人生活では、多忙から心と体のバランスを崩し、休職を経験。
こうした生い立ちをもとに、脳と心の仕組みを学び、勝負所で力を発揮させるメソッド、スポーツメンタルコーチングを提唱。
プロアマ・有名無名を問わず、多くの競技のスポーツ選手のパフォーマンスを劇的にアップさせている。世界チャンピオン9名、全日本チャンピオン13名、ドラフト指名4名など実績多数。
アスリート以外にも、スポーツをがんばる子どもを持つ親御さんや指導者、先生を対象にした『1人で頑張る方を支えるオンラインコミュニティ・Space』を主催、運営。
『弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉』『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』など著書8冊累計10万部。