【多様な働き方を研究するコラム】今、まさに面接のジョーシキが変わる!?
■実はWEBの方が素が出せる
一方で、WEB面接を経験したある学生A君によると「リアルな面接の場だとガチガチに緊張してしまうけど、オンラインの動画だとあまり緊張せずにすむ。ちゃんと自分を出せて納得のいく面接ができました」とのこと。
そもそも今の就活生はYouTubeなど動画サイトを中心に情報収集や発信をしている世代です。
リアルコミュニケーションに委縮しがちな彼らにとって、WEB面接のほうが、自然体で臨むことができ、本来の自分をアピールできるというのも一理あります。
緊張のあまり実力が発揮できない学生たちの素がチェックできるのは、企業側にとってもメリットです。
かくいう私も、参加予定だったセミナーがZoomというシステムで開催されることに急遽変更され、先日オンラインでのセミナー受講を初体験しました。
もちろんリアルな場での臨場感には及びませんが、講師や他の受講者とのコミュニケーションは思ったよりスムーズ。
人目を気にせずに済むので、むしろ質問をしやすかったり、A君の気持ちがよく分かりました。
■デジタルアレルギーを乗り越えるチャンス
さまざまなテックサービスが登場する中で、いまひとつ広まっていかない最大の要因は、利用する側のデジタルアレルギーだと言われています。
デジタル音痴の私も、先述のセミナーがオンライン開催に変更されると聞いたとき、正直気が進みませんでした。
どうやってシステムにエントリーすればいいのか、音声はどうすれば聞こえるのか、戸惑うことも多くありましたし。しかし今回の経験で、非対面への懸念はかなり払拭され、デジタルへの距離感も一気に縮まりました。
当たり前すぎる事実ですが、やはり体験してみると大きく評価は変わります。
今回の異常事態を受け、消極的な選択としてWEB面接を利用することになった企業も、その体験によって、今後は積極的な選択としての利用に変化していくはずです。
そういった意味において、2020年は「面接の常識が変わった年」と、歴史に刻まれることになるかもしれません。
数日後、自分が講師を務めることになっていた講演が、動画配信によって行われます。また新たな経験となりますが、ポジティブに努めていこうと思います。
[記事提供:ツナグ働き方研究所(https://tsuna-ken.com/)]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
平賀充記(ひらが・あつのり)
ツナグ働き方研究所 所長
1988年リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)に入社。「FromA」「FromA_NAVI」「タウンワーク」「とらばーゆ」「ガテン」などリクルートの主要求人媒体の全国統括編集長を歴任。 2014年株式会社ツナグ・ソリューションズ取締役に就任。2015年ツナグ働き方研究所を設立、所長に就任。2019年よりツナググループ・ホールディングス エグゼクティブフェロー就任。著書に『非正規って言うな!』『サービス業の正しい働き方改革・アルバイトが辞めない職場の作り方』(クロスメディアマーケティング)、『パート・アルバイトの応募が殺到!神採用メソッド』(かんき出版)、『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)。