アスリートにオススメ、お手軽メンタルトレーニング”一点集中法”
[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム(https://re-departure.com/index.aspx)]
アスリートにとって大切な集中力。競技センスやスキル、運動能力がどんなに素晴らしくてもここ1番の場面で集中力がなければ、良い成績を残すことができません。もちろんアスリート以外においても勉強や仕事などでパフォーマンス向上を目指したいという人も身につけたい集中力。まずは集中力とは何なのか、集中できない原因などを深く理解することが必要です。そして克服するためのトレーニング方法などを実践すれば誰でもパフォーマンス向上へのステップアップとなります。特に短期間でも効果が出やすいのが”一点集中法”。今回は、集中力や一点集中法についてお話します。
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精神疾患も予防、”集中力の重要性”
勉強や仕事、もちろんスポーツにおいても重要な要素ともなる集中力。”一つの事柄に注意して物事に取り組む能力”と定義されています。何かに集中することで”外から受ける刺激を一切無視してしまう精神状態”なのです。
この集中力があるのかないのかによって物事の進行に差が生まれます。それだけではなく近年、集中力の有無が精神疾患の要因にもなることも明らかになりました。うつ病や不安障害、統合失調症などを患っている人の多くは”物事に集中して取り組めない=集中力が低下している”状態になります。
逆に言えば、集中力があれば困難な状況でもポジティブに捉えることもできます。物事を無駄なく判断し、効率的にこなすことも可能になる重要なものです。また集中力があることで真面目な人が陥りやすいとされるメンタルの不調、 “燃え尽き症候群”までも防ぐことができます。
これほどまでに大切な集中力。「自分には無い」と悲観的になることはありません。人が何かに集中できる時間は、大人の場合でたった20分だと言われています。人間の脳は、元々”集中しにくい構造”であり、集中力が長く続くようにはできていないそうです。
もちろん生まれつき性格や才能などによって集中力を維持しやすい特性を持つ人もいます。しかし人間の脳の仕組みや特性を理解すること、集中力が続かないことをカバーすることである程度コントロール可能にすることができます。同時に自分の集中力が続かない原因や弱点を克服することで誰でも集中力を高めることができるのです。
メンタル安定、”環境音楽の効果”
誰もが身につけたい集中力。途切れてしまったり続かない原因として”周囲に気が散るものがある、段取りを決めれていない、必要性を感じないまま取り組んでいる、一度にたくさん抱えすぎ、ながら作業、長時間の作業、体調や精神が不安定”など実にさまざまなものが挙げられます。
集中力を高めるためには、まず気が散るような雑念を排除することが必要です。日々の食事に気を遣い栄養を取ることも効果的です。そしてビデオゲームや音楽を聞くこと、もちろん運動をすることも効果的と言われています。気持ちをリラックスさせることもできるため、音楽の中でも特に効果ありと言われるのが”環境音楽”です。
アコースティックギターやピアノ、自然音や電子音などの心地良い楽器が含まれるシンプルな音楽のことです。突然中断をしたり、急激なテンポの変化などがなく安定したリズムが理想です。
環境音楽によって心が落ち着きを保つだけではなく、集中力を妨げるような雑念をシャットアウトすることもできます。さらに思考を分析したり脳内を活性化させることでより新鮮な情報を吸収しやすくなります。
集中力のみならず脳の能力まで高める環境音楽のメリットです。メンタルが落ち込んだ時や忙しく予定が立て込んでいる時には、特に効果を発揮できるのです。