【スポーツメンタル】メンタルはスキルなのか?
セロトニントランスポーターとは?
”セロトニントランスポーター(serotonin transporter)遺伝子(SLC6A4遺伝子)において、日本人と欧米人の間には特定の遺伝的な違いが存在します。この遺伝子には、セロトニンの再取り込みを担うタンスポーターの遺伝子型に関連した多型があります。この多型は、セロトニンシステムの機能に影響を与える可能性があります。
最もよく研究されている多型は、5-HTTLPR(セロトニントランスポーター長/短多型)と呼ばれるものです。この多型は、5-HTTLPR遺伝子座のアレルの長さによって定義されます。長いアレル(Lアレル)と短いアレル(Sアレル)の2つがあります。
研究によると、一部の報告では日本人集団においてSアレルの頻度が比較的高いとされています。これに対して、欧米人集団ではLアレルがより一般的であるという報告もあります。
この5-HTTLPR多型は、セロトニンシステムの活性やセロトニンの再取り込みに関与するため、個人の行動、情緒、および精神的な特性に影響を及ぼす可能性があります。ただし、この遺伝子多型と個人の特性との関連性は複雑であり、他の遺伝子や環境要因も重要な役割を果たすことが示唆されています。”
メンタルをスキルで補う別の形を求めて
現代社会においては食生活などの急激なライフスタイルの変化によってメンタルダウンする人が増えました。
環境の変化によってうつ病になどの精神疾患に罹る確率が高くなっています。
また私たちを取り巻く環境においては、発展途上国よりも日本を含む先進国における精神疾患も多いと言われます。
自殺者だって先進国が圧倒的に多いのです。
だからこそメンタルをスキルとした場合に、個人ではどうにもならない環境からの影響を私たちは少なからず受けることがわかっています。
その上で、メンタルはスキルだと捉えることができる人は比較的に遺伝的にも環境的にも恵まれメンタルのスキルを学べる人たちに限られるのではないのか?と思うのです。
では、環境的にも遺伝的にも恵まれていない人はどうしたらいいのでしょうか?
そこで必要になるのが、メンタル面を改善に導く指導者、親御さんへの普及、さらにはメンタルコーチを増やしていく必要があると私は思っています。
私自身、うつ病を経験してます。
母親もうつ病を経験してます。
スキルではどうにでもならない世界を身をもって感じてきました。
知識を知っていても、変われない人はいます。
だからこそ、知識を伝えるのではなく寄り添える人を増やしていきたいのです。
メンタルスキルを必要としない、そんな社会を私は目指したいのです。
[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
【関連記事】【スポーツメンタル】メンタルコーチングを受ける事が「心の弱さ」を認めることに繋がるのか?
【関連記事】「大きな目標の前に小さな目標を立てる」女子ボクシング・並木月海流 メンタルヘルスの整え方
【関連記事】【セルフハンディキャッピング】つい言い訳してしまう人の心理とは
一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会
代表理事 鈴木颯人
1983年、イギリス生まれの東京育ち。7歳から野球を始め、高校は強豪校にスポーツ推薦で入学するも、結果を出せず挫折。大学卒業後の社会人生活では、多忙から心と体のバランスを崩し、休職を経験。
こうした生い立ちをもとに、脳と心の仕組みを学び、勝負所で力を発揮させるメソッド、スポーツメンタルコーチングを提唱。
プロアマ・有名無名を問わず、多くの競技のスポーツ選手のパフォーマンスを劇的にアップさせている。世界チャンピオン9名、全日本チャンピオン13名、ドラフト指名4名など実績多数。
アスリート以外にも、スポーツをがんばる子どもを持つ親御さんや指導者、先生を対象にした『1人で頑張る方を支えるオンラインコミュニティ・Space』を主催、運営。
『弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉』『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』など著書8冊累計10万部。