大船渡・佐々木が初戦好発進、MLBの「海外アマチュア選手登録制度」とその狙いは?
このルールが設けられた当初の狙いは?日本人選手の実例は?
このルールが設けられた当初の狙いは、中南米選手の年齢詐称への対策であった。本人か周辺から直接、出生証明書を入手して提出する必要がある。
だが、本来の意図とは違う形で日本の高校生の「直メジャー」を阻むルールとなった。日本の学生野球憲章では、プロ志望届けを出していない選手のプロ球団との接触を禁止している。5月の段階で事前登録されることは、イコールでプロ球団と接触していたことの裏返しとなる。どうしても直接メジャー球界に挑戦したい有望高校3年生は、高校生活のハイライトとなる高3夏の甲子園を目指した地方大会前の5月に退部届を出し、甲子園を諦めて事前登録を済ませなければならないわけだ。
昨年7月にロイヤルズとマイナー契約を結んだ結城海斗投手は、後者の道を選んだ。中学3年時のリトルシニアの世界大会で、米国でメジャーに触れて渡米を決断。中学卒業後、高校には進学せずに、本来なら高1となっていたはずの5月に事前登録を済ませ、契約が解禁された昨年7月にマイナー契約を交わした。その時点で16歳だった。
もっとも結城の例は非常にまれなケースだろう。どんなに才能豊かなであったとしても、日本の高校野球というハイレベルな環境でもまれ、高学年にならないとその芽も出てこない。
一時は佐々木の元をメジャー数球団のスカウトが訪れることもあったが、こうしたルールの縛りから日本プロ野球入り前に食指が動くことはない。彼らはあくまでプロ野球入り後の数年先を見据えて、足を運んでいたのだ。
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[文/構成:ココカラネクスト編集部]