ホンダが「アロンソに雪辱」!F1部門の技術者が結集して見事に敵討ち
7月28日にドイツ・ホッケンハイムで開催されたF1ドイツGPでレッドブル・ホンダが今季2勝目を挙げた。今季初優勝は、その2戦前のオーストリアGP。シーズン中に2勝以上を挙げるのは1992年のマクラーレン・ホンダ以来、27年ぶりだ。
優勝の直後、ホンダF1の公式ツイッターでは優勝に導いたレッドブルのエース、マックス・フェルスタッペン(オランダ)をたたえ、英文で「That’s GP2 victories in 2019(これは2019年のGP2勝目)」とつづられた。他愛もない短い文言ながら、実はある相手への強い皮肉と嫌みが込められている。
ドイツGPで歓喜に湧くレッドブル・ホンダ陣営(ホンダ提供)
他愛もない短い文言に込められた強い皮肉
現代のF1の心臓部は一大ブームがあった1990年前半とは全く異なるシロモノ。いわゆる電気モーターを備えたハイブリッドエンジンなのだ。F1では「パワーユニット」と呼ばれている。以前はエンジン単体の馬力さえ上げれば、そのままスピードにつながったが、今はレース中に使える燃料量にも制限があり、回生システムで蓄電したエネルギーをどれだけ効率良く使っていけるか、専門的な言葉で表すと「デプロイメント」が重要なカギとなっている。
ホンダもF1に復帰した2015年からパワーユニットの開発に苦労した。F1がハイブリッドエンジン化されたのは2014年。参入に1年遅れたことが大きく響き、1年目は参加10チーム中でブービーの選手権9位に終わった。F1は技術開発レベルのスピードが速く、わずかなブランクも命取りとなる。既存のメルセデス、フェラーリ、ルノーに対しては全く歯が立たなかった。
当時のパートナーは、セナプロ(アイルトン・セナ&アラン・プロスト)時代に黄金時代を築いた名門チームのマクラーレンだったが、その後も成績は鳴かず飛ばずだった。
チームからの「サイズゼロ」の指示通りにパワーユニットをコンパクトな構造にしたものの、熱処理に苦しんで、シーズン開幕前のテスト走行の段階からトラブルを連発させた。マクラーレンとは3年間、タッグを組んだが、最後はチームから責任をなすり付けられる始末で、2017年をもって提携を解消。ホンダはトロロッソを新たなパートナーに据え、今年からは兄弟チームの強豪レッドブルと組んで2チーム供給体制となった。
表彰台で祝福される優勝のマックス・フェルスタッペン(右)と3位に入ったトロロッソ・ホンダのダニール・クビアト(ホンダ提供)
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