筒香が訴えた野球指導の改革 「頭の中がアップデートされていない」
1週間後の20日には、出身地の和歌山・橋本市スポーツ推進アドバイザーとして小、中学生のスポーツ指導者向けに講演。「筒香節」は止まらなかった。
「多くの指導者は自分が経験したことばかりを言っていると思う。頭の中がアップデートされていない。時代は明らかに違う。常にアップデートしていかないと、子どもたちの将来は守れない」
古くから言われる「上からたたけ」の打撃指導について「感覚は人それぞれ違う。プロでも活躍している選手ほど平行にバットを入れている。ちょっと下から入れている選手も多くなっている」。
指導法に疑問を持っていた。ボールを手元まで呼び込んで打つこだわりを持つが、「ポイントを前にして引っ張れ」とあるコーチに指導されたことで、スランプに陥った時期があった。また15年に参加したウインターリーグで、開催地であるドミニカ共和国で視察した少年野球では、子どもを見守り、自主性を尊重し、才能が将来大きく開花するように指導していた。「日本の野球を何とかしないといけない」。心に引っかかっていた違和感が確信に変わり、行動に移すきっかけになった。
野球界の改革を熱く訴えた20日はくしくも、センバツ出場が有力視される春日部共栄(埼玉)監督の体罰が発覚した。「野球界がいきなり大きく変わることはできないが、これからも情報を発信していきたい。最初は反対意見も出ると思うが、大人が変わらないと子どもがつぶれてしまう。失敗したら怒鳴ったり罵声を浴びせるのではなく、また次にチャレンジできる環境を作ってあげてほしい」。
リスクの伴う発言であることは理解している。今後への影響が出るかもしれない。覚悟をもった27歳の叫びは、どこまで届くだろうか。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]