東京五輪の1年延期によって出場選手は選考見直し?!延期が追い風となりそうな選手は?
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、東京五輪が予定から1年後の2021年に延期される見通しとなった。すでに日本代表の半数以上が内定していたが、出場選手については、内定の取り消し、選考方法の見直しといったケースも競技によっては検討されるだろう。
1年たてば、選手の力関係が変わってくる。伸び盛りの若手に対し、五輪を集大成と考えていたベテラン選手にとっては逆風になる。
追い風となるのは、バドミントンの桃田賢斗(25)だ。男子シングルス世界ランキング1位の日本のエースは、今年1月のマレーシア遠征で交通事故にあい、顔面を裂傷して全身打撲を負った。帰国後には「シャトルが二重に見える」と精密検査を受けたところ、右目眼窩底骨折が判明し、手術も受けた。2月末から練習を再開したが、実戦勘を取り戻すには相応の時間がかかる。補うための予定出場試合も新型ウイルスナの影響で大会中止が相次ぎ、桃田に襲いかかる負の連鎖に関係者から嘆きの声が上がるほどだった。1年リハビリに専念できれば、金メダルの期待が高まる。
ケガや不調に苦しむ選手にとっては、プラスになる。競泳では、16年リオ五輪男子400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介(25)が絶不調。モチベーションの低下による休養を経て復帰したが、状態は上がらず、五輪切符をかけた4月の全日本選手権も不安視されていた。体操ではリオ五輪男子団体金メダルの白井健三(23)が、左足首や左肩に故障を抱えて本調子ではない。実績のある選手には、延期が「恵みの1年」となり、コンディションを整え、万全の状態で五輪に臨める可能性も出てくる。