スポーツ選手が口を揃えて話す言語化に潜む罠

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[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム(https://re-departure.com/index.aspx)]

 言語化をすることが求められる場面が増えました。日本ではサッカーでよく言語化と言われます。

しかし、言語化する事で本当にサッカーが上手くなるのでしょうか?例えば現役を引退されたばかりの大久保嘉人さんがご自身のシュートについてこう話してます。「腸を潰す感じで蹴る」この表現はどう考えても他人では到底理解できない話であります。しかし、ご本人には理解できている話なんです。

今回は言語化による弊害をスポーツメンタルコーチ目線で綴っていきます。

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言語化の限界

我々が言語化に求められることは1つです。それは、単に言語化するだけでなく「言語化されたことが他人にも理解できてこその言語化」になるという定義が無意識にあります。そして、再現性を求める上で言葉にする必要があると思っている方が多いのです。

そこで私が言語化によって危惧していることがあります。それが言語化によって選手にしかもっていない独特な感覚を失ってしまう怖さです。

そこで私は声を大にして伝えたいことがあります。それが、「私たちは感覚を言語化出来るのでしょうか?」この質問について私は限りなくNoに近いと考えています。

例えば、私が患ったことが腰椎ヘルニアの悲痛にも似たあの痛み。この痛みを言葉に表現しても万人に伝わるのでしょうか?何となく伝わっても、完璧に伝わることはないと思うのです。それ以外にも、メンタル的に落ち込んで心が痛いと感じることもあると思います。しかし、それすら他人が完璧に共有できるのでしょうか?

それと同じように技術的な感覚も同じことが言えます。技術の細かいところが伝わりそうであっても、完璧に伝わらないのが技術なのです。

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