【スポーツメンタル】完璧主義なアスリートの抱える弱点とは?メンタル面を強みに
[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム(https://re-departure.com/index.aspx)]
皆さんの周りに「完璧主義者」と呼ばれる人はいますか? また、「完璧主義」や「完璧主義者」に対してどのようなイメージを持っていますか?
自身の経験から「タスクをミスなくこなしてくれそう」「我が強くて近寄りがたい」などさまざまな思いを抱いていると思います。
多くのアスリートは成果にプライオリティをおいていると思いますが、完璧主義なアスリートのメンタルは結果を出す上で果たして有利になるのでしょうか。特に、チームプレーを行う競技において、完璧主義者の役割や、付き合い方が気になるという方もいると思います。 この記事ではそんな完璧主義について、若年アスリートの完璧主義と社会性の関係について解説します。
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アスリートの完璧主義
ここではアスリートが完璧主義を持つことについて、完璧主義の概念や特徴を含めて解説します。
そもそも完璧主義とは
そもそも、完璧主義という言葉を普段何気なく使っているが、具体的にどのような状態を刺すのかよく分からないと感じている方もいるのではないでしょうか。 心理学における完璧主義とは、物事に対して「ミスなく全てのことをこなしたい」という欲求が過度に強くなりすぎたり、持続しすぎてしまうことを指します。
この欲求は程度に差はあれど、誰しも少なからず持っているものです。ただし、完璧主義者には、多くの人に見られる行動である「時間の経過に伴い執着しなくなる」「見切りをつける」といった変化が生じません。
完璧主義者の持つ特徴
完璧主義者にはいくつかのパターンが存在しますが、多くの場合で物事が期待通りに進まないと全てが失敗であると認識してしまうという点が共通しています。 これは全ての行動は善良で正しくなければならないのだ、という義務感の裏返しであると考えることもできます。また、「満点以外は0点と等しい」「一瞬でもミスが生じれば成功とは言えない」といった極端に二分する考え方をするようになります。
意外なことに完璧主義者の中には「少しでも汚れてい流のであれば何もしない方が良い」「少しくらい練習を休んでも良いだろう」といった、どうせ100点ではないから0点を目指す考え方をするようになる人もいるそうです。 このように完璧主義を持つ人には「非常に強い義務感」「極端に二分する考え方」という特徴が多く見られます。
完璧主義なアスリートは結果を残すのか
完璧主義を持つアスリートが成績を残すことができるのか気になる方も多いと思います。 一般的に完璧主義者は成果にこだわるため結果を残しやすいと言われます。 反面、失敗を恐れるあまり好機を逃すこともあるそうです。
チームプレーの競技では自身のこだわりを貫き通そうとするあまり、そりが合わず結果的に成果を出すことができない場合もあります。 特に、完璧主義者の大きな特徴である「非常に強い義務感」「極端に二分する考え方」はこうした行動につながりやすいと考えることができるでしょう。
完璧主義者の特徴は時に弱点にもなり得ますが、時と場合を選んで能力を発揮することで結果に大きく寄与することもあります。 もし、完璧主義のアスリートが結果を残したいと考えるのであれば、いま執着していることは成果にとってどのように繋がるのかをまず考えてみることも重要なのではないでしょうか。