【スポーツメンタル】試合前、緊張している選手に対してどんな言葉がけが必要か?
緊張に対する捉え方を変える
緊張感が高い選手ほど、過去にあった出来事が深く影響しています。例えば野球の試合。最終回、一打逆転サヨナラの場面。緊張感が高い人の心を覗いてみましょう。
「打てなかったらどうしよう…」と感じることがあると思います。試合を決定づける場面でありながら、自分の心を追い込んでしまう人がいる一方で、「ここで決めたらヒーローだ!」と思える人もいます。
同じ出来ごとでも捉え方が違うのです。それと同じように、緊張する場面を思い出してもらい、緊張する場面の捉え方を変える必要があります。そのときにやって欲しくないのが、『無理しない』ということです。無理してポジティブに思うのではなく、「〇〇という捉え方もありだよね」くらいの気持ちで向き合って欲しいのです。
そして何よりも大事になるのが、「緊張をなくす」と思い込まないことです。それ以上に「緊張をコントロール」と思えることがポイントになるのです。
緊張することで得られるメリットとは?
緊張でらえられるメリットの代表格はパフォーマンスの向上です。緊張しすぎてパフォーマンスが発揮できないと思う方は多いとおもいますが、実は緊張してるからパフォーマンスが上がるのです。逆に、緊張しないとパフォーマンスが高まりません。ダメなのは過緊張になります。ちょうどいいバランスがあるのです。これを逆U字理論と言います。
このバランスを整えていくことでベストパフォーマンスを出すことができます。そしてこのバランスを整えていくとゾーンに入っていくことが出来ると考えられています。ある意味で、緊張感とはゾーンに入るための入り口と捉えてもいいのかもしれません。
試合直前にしたい3つの質問
1、今日の試合では何が良かった?
2、今日の試合で改善点があるとしたら何か?
3、次の試合に向けてどんな準備が必要か?
試合前に具体的に質問したいのはこの3つだけです。私が選手との試合前のメンタルコーチングをする際に行うことはこれだけシンプルに留めるようにしています。試合前、あれもこれも意識することが多いと体は余計緊張するものです。
出来る限り整理された状態で試合に挑ませてあげるためにも私が話すことはこれだけです。あとは勝手に選手が話して頭の中を整理します。これくらいやってあげることで緊張感も緩和されます。ぜひ参考にしてみてください。
[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会
代表理事 鈴木颯人
1983年、イギリス生まれの東京育ち。7歳から野球を始め、高校は強豪校にスポーツ推薦で入学するも、結果を出せず挫折。大学卒業後の社会人生活では、多忙から心と体のバランスを崩し、休職を経験。
こうした生い立ちをもとに、脳と心の仕組みを学び、勝負所で力を発揮させるメソッド、スポーツメンタルコーチングを提唱。
プロアマ・有名無名を問わず、多くの競技のスポーツ選手のパフォーマンスを劇的にアップさせている。世界チャンピオン9名、全日本チャンピオン13名、ドラフト指名4名など実績多数。
アスリート以外にも、スポーツをがんばる子どもを持つ親御さんや指導者、先生を対象にした『1人で頑張る方を支えるオンラインコミュニティ・Space』を主催、運営。
『弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉』『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』など著書8冊累計10万部。