野村ID門下生・名コーチが語る、中間管理職のストレス対処法
「野村ID野球の申し子」として、楽天や巨人、昨シーズンのパ・リーグ覇者ライオンズのコーチを務めた橋上秀樹氏。現役時代をヤクルト、日ハム、阪神で過ごし、来季は古巣ヤクルトの二軍チーフコーチに就任する。
2005年にプロ野球に新規参入した楽天にコーチとして招聘され、2007年からは野村監督の下ヘッドコーチに昇格。2009年の球団史上初のCS進出に尽力した。そんな「野村ID野球の申し子」に、ココロとカラダについて話を聞いた。
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選手に対しては、監督と逆のことをする
ヘッドコーチというのは、一般の社会でいうと、中間管理職のような立場。監督とコーチの間に入る、そういう役割です。胃が痛くなる事もいっぱいありましたね。
監督が選手に対して言うのであればヘッドコーチは言わないし、ヘッドコーチが言うなら監督は言わない。監督が選手に対して優しくするなら、キツく接しないといけない。全く逆をいかないといけない。同じだとダメなので、監督が選手にどう接するかを必ず見るようにしていました。
シーズン中はストレスを感じなかったが…
最初にコーチに就任した時に、シーズン中はストレスを感じていると感じなかったんですよね。
シーズンを終えて、最終日の夜に、冗談抜きで夕食の箸も持てなかった。本当に力が入らなかったんですよね。その後、一週間くらい休みだったけど、なんとも言えない体のだるさを感じて、内臓の病気なんじゃないかなと思ったんです。それで病院に行ったんですけど、何も疾病はなかった。その時に初めて、これがストレスなのかなって感じましたね。
ずっと、自分の体と思えない気だるさ、重たさを感じていて。何日か家で寝たきり状態をしているうちに、徐々に体の重みが取れてきました。その後、秋季キャンプが始まって、ユニフォームを着て選手と一緒に動き出すと、不思議なもので体の重さが取れていきましたね。シーズンが終わってユニフォームを脱いだ瞬間に、自分の中でスイッチを切ったのかもしれないですね。