ケア不足の「汚口」が招くモーニングブレスの悲劇
菌の影響でモーニングブレスの臭いは強烈
起床直後の目覚めの口臭は「モーニングブレス」とも言われ、誰にでも起こる強い口臭として知られています。朝、起きた時に口の中のネバネバや不快感などがある場合には、何らかの口臭が発生しているかもしれません。
なぜ「モーニングブレス」が発生するかと言うと、睡眠中には唾液の分泌量が減り、お口の中の流動性が悪くなるために嫌気性細菌(歯周病や虫歯の病原菌)が繁殖を繰り返し増殖するからです。そして、口の中に食べかすや舌の汚れが残っているとそれを嫌気性細菌が分解し、口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物(VSC)を産生するため臭いがいつもより強くなるというメカニズムです。
ちなみに夜寝ている間に増える口の中の菌の数は、なんとビックリ!大便よりも多いのだとか!歯科医師の本田俊一先生によれば、「起きてすぐの唾液1 ミリリットルに含まれる細菌数は、大便1グラムの10倍」らしいです。菌がすべて嫌気性細菌とは限りませんが、確実に口の中で増殖しているので、絶対に朝起きたら歯を磨くようにしましょうね。
朝も大切だけど寝る前の夜のケア徹底はもっと大切
さて、そんな強烈な「モーニングブレス」を低減させる唯一にして効果的な方法があります。それは夜寝る前にお口の中をしっかりとクリーニングすることです。私は歯科衛生士時代に面倒くさがりな患者さんに対して、毎食後歯を磨けなくても「夜だけは磨くように」と指導してきました。
それは、先ほどお伝えしたように寝ている間に嫌気性菌というイヤな臭いを生み出す菌が増えるのを防ぐためです。プラークや食べかすがなければ発生しにくくなります。どんなに眠くても、大便を超える菌を口の中に発生させないために、夜寝る前には歯磨きを入念に行い、舌の掃除やマウスウォッシュで口の中全体をクリーニングするのを習慣にしましょうね。夜寝る前の歯磨きを徹底すれば、翌朝目覚めた時のスッキリ感も異なると思います。
口臭、それも朝寝起きの口臭はひどいという話でしたが、朝起きてから歯磨きするより特に寝る前のケアが大切です。寝ている間は唾液の分泌が少ないので虫歯などの進行も早めてしまいます。口臭だけではなく虫歯や歯周病へのリスクも考えると夜寝る前の歯磨きだけでも徹底してほしいと思います。汚口は百害あって一利なしですよ!
[記事提供:Ha・no・ne(ハノネ)~毎日キレイ 歯の本音メディア~(https://ha-no-ne.com/)]
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