更年期のイライラ「漢方」で解決!穏やかメンタルを保つ秘訣
2.更年期のイライラには漢方がいい?
更年期の薬物治療には「ホルモン補充療法」「向精神薬」「漢方薬」が推奨されています。
漢方薬は自然由来の生薬の組み合わせで作られていて、心とからだ全体のバランスを回復させる働きを持つといわれています。そのため、更年期の多様な症状の改善を得意としているのです。
漢方医学には、からだを支える3つの要素である「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」という考え方があります。更年期のイライラは、ストレスなどによる「気」の滞りが原因であると考えられています。
また、血液の不足や巡りが悪くなると、全身の栄養状態が悪化し、ストレス耐性の低下を招きやすくなるといわれています。
2‐1.漢方はイライラにどう作用する?
そんな更年期のイライラには、婦人科や心療内科の治療でも使われている漢方薬がおすすめです。
漢方薬は、「気」の巡りをよくしたり、不足しがちな「血」を補ったりすることで、イライラを抑える効果が期待されています。
心とからだ全体にアプローチするため、冷え、太りやすい、良く眠れないなどの複数の症状を同時に改善できると考えられています。
2‐2.イライラなどの情緒不安定に効く漢方薬は?
それでは、更年期のイライラに使われる代表的な漢方薬をご紹介します。
<イライラが気になる方におすすめの漢方薬>
・加味逍遙散(かみしょうようさん):肩凝りやのぼせが気になる方に「血」を補い、「気」の巡りを整える漢方薬です。余分な熱を冷ますことで、のぼせやイライラを抑えます。
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):胃腸が弱く、神経がたかぶりやすい方に「気」の巡りを整え、「血」を補う漢方薬です。イライラなどの興奮症状を抑えるほか、更年期障害にも用いられます。
3.更年期の漢方は「体質」と「症状」で選ぶ
漢方薬は体質改善を目指すものなので、今ある症状だけでなく、不調の根本原因にアプローチすることができるのも特徴です。
また、自然由来の漢方薬はからだに優しく、西洋薬の服用に抵抗がある方でも取り入れやすいでしょう。
ただし、漢方薬を選ぶ際には、自分の体質や症状に合ったものを選ぶことが何よりも大切です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、思わぬ副作用が起こることもあります。
インターネット相談窓口を設けている「あんしん漢方」のようなサービスを利用して、薬の効果や副作用、漢方薬との相性、日常生活の養生法などを相談してみるといいでしょう。
4.イライラを抑えて自分らしい毎日を
ホルモンバランスやライフスタイルの変化など、さまざまな原因によって引き起こされるといわれている、更年期のイライラ。
繰り返すイライラには、症状の根本原因にアプローチできる漢方薬を取り入れるのがおすすめです。
ただし、漢方薬は自分に合ったものを選ぶことが重要なので、服用の際は専門家に相談するとよいでしょう。
つらいイライラをはねのけ、自分らしい毎日を取り戻しましょう。
[文:あんしん漢方]
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あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 篠原明宏
薬剤師。東京薬科大学卒業。大学院にて子宮内膜症の研究に携わり修士課程を取得。その後、中国の上海中医薬大学に留学し本場の中医学を肌で学ぶ。帰国後は保険調剤薬局にて管理職、役員を経験。最新医療の知識と伝統的な東洋医学の多方面から患者様の現状にあった健康サポート提案を得意とする。
現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。