人間関係だけではない 意外に気づかないストレス要因とは
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ストレス要因は精神のみならず、身体にも大きな影響を及ぼす
臨床心理士の深瀬と申します。企業研修、職場環境改善などを中心に活動しています。今回は「ストレス要因(ストレッサー)」についてお伝えします。
ストレス要因のことをストレッサーと呼びます。ここではストレッサーを大きく4つに分けて説明します。
1.物理的ストレッサー
温度、湿度、空調、騒音、光などが物理的ストレスにあたります。例えば、湿度、温度は高すぎても低すぎても身体に負担になりますし、精神的にも負担を感じますね。空調で言えば、エアコンの風が直に当たる場所にいる人は、あまり意識していなくても負担がかかっています。風が強い日に外を歩くと体力を消耗しているのがわかるでしょうか?程度の差はあれ、それと同じような状態になっているのです。他にも、オフィスが騒々しい、あるいは逆に静かすぎて緊張するといったこともあります。
2.生物学的ストレッサー
細菌、ウイルス、カビなどが生物学的ストレスにあたります。仕事で細菌やウイルスなどを扱う場合は、常に緊張を強いられ、ストレスが高まりやすくなります。また、不衛生な環境に身を置いていると、免疫力が低下し風邪や病気にかかりやすくなりますし、精神的にも負担になります。身近なところでは、花粉もあります。花粉症の方は、その心身への負担を実感していらっしゃると思います。
3.化学的ストレッサー
薬剤、環境ホルモン、有害物質などが化学的ストレスとして挙げられます。毒性や刺激の強い薬品を扱う仕事は、細菌やウイルスを扱う仕事と同様、緊張感が高くなります。
4.心理的・社会的ストレッサー
心理的・社会的ストレッサーと聞くと、まず「人間関係」を思い浮かべるかもしれません。人間関係だけでなく、経済的な問題、喪失体験などもここに含まれます。喪失体験というのは、自分にとって大切なものを失った体験です。例えば、引越しして愛着のある家から離れること、友人や信頼していた上司との別れ、想い出の品を失うなどの体験を指します。
ストレス要因(ストレッサー)は心理・社会的な要因の他にも物理的な要因など様々な種類があることを知っていただけたでしょうか。これらは精神のみならず、身体にも大きな影響を及ぼします。「ストレスが高まっているな・・・」と感じたら、身体と心の両方を大切にしてください。
物事や人に対する捉え方は「習慣」によるところが大きいです。習慣は身に付けるのに時間がかかります。個人差があるものの、今回ご紹介した、「相手の評価できる点を探す」、「自分から態度を変える」という方法も身に付けるのに時間がかかるでしょう。ですが、毎日少しずつ意識して実践することで身に付き、一度身に付ければ長く役立ちますから、長い目で見て取り組んでいただければと思います。
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※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]
深瀬 砂織(ふかせ・さおり)
東京都出身。臨床心理士でシニア産業カウンセラー、2級キャリア・コンサルティング技能士、キャリアコンサルタントの資格を持つ。企業の研修講師、職場環境の改善提案、経営者、人事労務担当者へのアドバイス、大学、自治体での講演など全国各地で精力的に活動している。