イラン誤射 ウクライナ機撃墜で懸念高まる「報復連鎖」危機

タグ: , 2020/1/13

 イランの首都テヘランでウクライナ国際航空の旅客機(ボーイング737型機)が墜落した事故をめぐり、イランが一転して誤射を認めた。ウクライナ機を米軍の巡航ミサイルと誤認し、ミサイルで撃墜したという。イランを敵視するトランプ米大統領はさらなる軍事力行使を否定し、経済制裁で矛を収めているが、イランの今後の動きによっては報復の応酬となる危険がある。

「イランの地対空ミサイルが同機を撃墜したことを示す証拠がある」


 問題のウクライナ機は8日、ウクライナの首都キエフに向かってテヘランの空港を離陸した直後に墜落。乗員乗客176人全員が死亡し、犠牲者はイラン人82人、カナダ人63人、ウクライナ人11人の順で多かった。カナダのトルドー首相は会見で「イランの地対空ミサイルが同機を撃墜したことを示す証拠がある」と明言。英国のジョンソン首相も同様の見解を示していた。

一方、米ニューズウィーク誌も米国防総省当局者や情報当局者らの話として、ロシア製の地対空ミサイルシステムによって撃ち落とされた可能性が高いと報道。米CBSテレビによると、米国の衛星が2発の地対空ミサイルが発射されたことを探知。直後にウクライナ機が爆発したという。墜落現場近くで見つかったとされるロシア製地対空ミサイルの部品の写真がネット上に出回っていた。国際社会に状況証拠を並べられ、イランは誤射を認めざるを得なくなった格好だ。しかし、これでコトが収まるかは不透明だ。米国とイランの対立によって緊張が高まる中東情勢は予断を許さない。

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