なぜ長友佑都はW杯メンバーに入ったのか 日本代表の歴史に学ぶ森保流“マネジメントの核心”
数々の修羅場を経験した長友はチームをまとめる求心力になるはずだ(C)Getty Images
なぜ、長友佑都はワールドカップ(W杯)メンバーに入ったのか。理由は単純。今さら外すリスクを負えないからだ。
スタッフジャージではなく、同じユニホームを来て、並びのロッカーを使い、同じメニューを課せられて、一緒にキツい練習を乗り越えて行く。たとえ試合に出られなくても、試合中はベンチから飛び出して声をかけ、皆を先導する。試合の翌日は控え組のみでトレーニングを行うが、同年代ばかりが集まると、居心地の良さから空気が緩みがち。だが、長友が先頭を走る限り、それは許されない。緩むことも、クサることも、39歳の背中が許さない。それはコーチの立場ではできないこと。
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今まで森保ジャパンで4年間、いや8年間、長友は大きな存在感を発揮してきた。W杯で勝つためには、ベンチを含めた一体感が重要。その一体感を作り出すために、何をするべきかを熟知した長友を、今さら外すのはリスクが大きすぎる。仮に外せば、彼の不在がチームの違和感になってしまう。
ただでさえ、4年に一度しかないW杯は、いつも通りに100%の実力を出すのが難しい場だ。好調のチームをサプライズで揺らす。そんなことを望む監督はいない。
普段からそうしたチームの様子を見ているメディアや、足繁く練習見学に通っているサポーター、あるいは何大会もW杯を見てきて結果を残す日本とそうでなかった日本の違いに気付いているファンは、あまり長友の選出に違和感を覚えていないと見受けられる。ただ、直接見ていない人、想像できない人にはどうしてもピンと来ないのかもしれない。仮に長友を外すなら、1年以上前だった。もう遅い。
理由はこれで充分だが、もう一つ外部要因を付け加えると、北中米W杯と前回のカタールW杯の違いとして、試合間隔が長いことも挙げられる。
冬開催のカタールW杯は、欧州リーグの中断を短くするため、大会期間が28日しか取られなかった。そのため試合が過密日程になり、日本も2戦目のコスタリカ戦でターンオーバーする必要に迫られ、踏み切ったわけだ(結果は敗戦だったが)。
ところが、今大会は1戦目と2戦目の間が5日もあり、2戦目と3戦目の間も4日ある。移動の必要はあるものの、これだけ中日があれば、少なくともグループステージの間は大掛かりなターンオーバーをする必要がない。
さらに今大会は試合数の増加に伴い、累積警告がグループステージ終了時と、準々決勝終了時の2回にわたってリセットされる。つまり、たとえば主力中の主力、鎌田大地がグループステージの3試合に出場し、2試合でイエローカードをもらったとしても、その時点で累積警告がリセットされ、決勝ラウンドには問題なく出場できるわけだ。







