ラグビー元日本代表・堀越正己さんがアイルランド戦で感じた「恐怖」とは!?
昨年のラグビーワールドカップ日本大会を機に、国内でも一気にラグビー熱がヒートアップした。新型コロナウイルスの影響で日本だけでなく世界的にもラグビーロスが続いている中、WOWOWでは6月から7月にかけて「ラグビーワールドカップ 感動と興奮の名勝負選!」と題して、過去のラグビーワールドカップ全9大会から計19試合を厳選してお送りする。
写真:アフロ
6月7日(日)から放送の「~日本代表 激闘の軌跡~」では、1991年大会のアイルランド戦とジンバブエ戦を筆頭に、世界を驚愕させた2015年大会の南アフリカ戦、そして2019年大会のアイルランド戦、スコットランド戦、南アフリカ戦など10試合を放送予定。
6月21日(日)から放送の「~全9大会 決勝の記憶~」では、ワールドカップ全大会の決勝を1987年の第1回大会から順にお送りしていく。
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今回は、その初回で無料放送となる6月7日(日)放送の1991年大会「アイルランドvs日本」をゲスト解説する堀越正己さんに、自身が先発出場したその一戦の思い出やワールドカップという大会の魅力、新型コロナウイルスの影響などについて話をうかがった。
──堀越さんにとって、ラグビーワールドカップとはどんな大会でしょうか。
「1991年大会でイギリスに行った時、とにかくラグビーというスポーツが人々から愛されていて、みんなが一つになって応援する様を目の当たりにし、『ラグビーってすごいな』と感じたことをよく覚えています。昨年の日本大会開幕前は『本当に盛り上がるのだろうか』という心配もありましたが、国民のみなさんに想像以上の感動が伝わったと思います。地元の埼玉県と熊谷市のアンバサダーとして、大会が盛り上がったことにホッとしています」
──ホスト国の日本代表は初の予選プール突破、ベスト8という過去最高の結果を残しました。
「この4年間だけではなく、エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ時代からの集大成だったと私は思います。2015年大会までの4年間も含め、南アフリカ代表を相手に番狂わせを演じたことが、昨年のベスト8という結果につながったのではないでしょうか。もちろん、ホームで日本のみなさんの応援が後押ししたこともベスト8の大きな要因だと思います」
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──堀越さんが出場した1991年大会、1995年大会の思い出を教えてください。
「1991年大会で、宿沢広朗監督やコーチの笹田学さんたちが食事を作っていたのが強く印象に残っています。電圧の違いでごはんがうまく炊けず、日本大使館に泣きついてお米や炊飯器を用意してもらったという話も聞きました。今の日本代表は非常にいい環境で、戦うことだけに集中できる環境にあると思うのですが、あの時はそうではありませんでした」
──当時の日本代表のキャプテンで、神戸製鋼でも共にプレーした平尾誠二さんのエピソードがあればお願いします。
「その1991年大会で、平尾さんはキャプテンとして宿沢さんと話し合いながら戦っていました。聞いた話では、平尾さんは宿沢さんに『僕はSO(スタンドオフ)ではなくCTB(センター)じゃないと嫌だ』と話をしていたそうです。宿沢さんはおそらくSOでの起用を考えていたと思うのですが、やはり平尾さんには平尾さんのこだわりがあって、CTBとして試合を組み立ててワールドカップで戦いたい、という強い思いがあったようですね」