【後編】年間1000枚カードを売り上げるトップ営業マンがユーチューバーに転身した2つの理由
株式会社クレディセゾンの社員でありながらユーチューバーとして活動するサイソンKAZUYA氏へのインタビュー。
後編では、現在行っているYouTube活動や、会社へ抱く思いについて紹介する。
現代には、営業を行うにしろ様々な手段がある中で、サイソン氏が選んだのは「YouTube」というプラットホーム。
そこには、こんな理由があるという。
「実は、コロナの影響が大きくて。僕、年間で1000枚以上のプラチナカードを獲得していたんですが、やっぱり対面で会うとなると、どうしても数が限られてしまう。
ただ、YouTubeだったら、そういった数の制限もなく、尚且つ説明を取りこぼすこともない。
時代もSNSの時代になって来ましたし、そういった変化に合わせていかないといけないなと思いました」
だが、当初はカードの営業目的で始めたYouTubeのはずが、現在のサイソン氏のチャンネルを見ると、公開されているのはどれも、競技やお金、恋愛といったテーマが中心のアスリートとの対談。そこに「セゾンカード」という言葉は一切出てきていないのだ。
「実は、『サイソンKAZUYA』チャンネルとは別で、カードの営業は他のチャンネルでタイアップ形式でおこなっています。
その理由は、マッチした客層に合わせてカードの営業をおこなって行きたいからです。
なので、カードの営業は、他の人のチャンネルで沢山タイアップしています。
一方で、僕個人のチャンネルでは、一切カードの話をしていない。
セゾンカードのチャンネルでセゾンカードのプロモーションをしていても、見る側は何にも面白くないんですよ。
なので、このチャンネルではあえて、これまで仲良くさせてもらっているアスリートとの対談にしています」
ともすれば、「カードの営業とはほとんど関係ない個人チャンネルをあえて作る必要はないのでは」。そんな疑問が湧いてくる。
だがここにサイソン氏の「戦略」があった。営業とは別に、自身のチャンネルを開設したのには、2つの理由があると話す。
「理由の一つは、会社のブランディングです。普通、一部上場しているカード会社って聞くと、堅いイメージがつくと思うんですよね。
だけど僕は、YouTubeチャンネルをやっていて、尚且つそこで全くカードの話をしない。
それをみた人が、『この会社面白いな』とか『変わってるな』、『こういうフランクな会社に入ってみたいな』、そういったことを思ってもらう為にやっています。
今の時代、就職先の幅も広がっている中で、年々入社する人数も減ってきている。
人事の話を聞いていると、うちの会社の内定は出ているのに他社さんに入社するといったケースもあります。
そういう中で、うちに興味を持ってもらうための一つの手段としての狙いが理由の一つです」
自身のチャンネルを通して、新たな人員獲得まで考えているというのだから恐れ入る。
そしてもう一つ。これまで同社の最上級カードであるプラチナカードの営業をおこなってきたサイソン氏ならではの、こんな理由もあった。
「これまで沢山営業してきたプラチナカードのお客さんであるアスリートの話を聞いてきました。アスリートの方々て本当に色々な苦労や体験をされている。
それを聞いた時に、『これって僕1人だけで聞いていたら贅沢だな』と思ったんです。
良い物はみんなに共有したいし、自分だけ良い思いをしようって思わないんですよ。
是非色々な人に共有したいという思いがあって、アスリートとの対談チャンネルを立ち上げ、「お金」「恋愛」「しくじり」「挑戦」「仕事」というテーマを掲げて話を聞いています。
アスリートの話というのは多くは成功体験で語られがち。ただもちろん、そこに至るまでには陰の努力を人一倍しているからこそ、辿り着いた境地もある。その貴重な話を多くの人にも聞いてもらいたいと考えたというのだ。