中国人初のF1ドライバーとなる周冠宇 抜擢されたその背景とは

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サンパウロGPを走行するアルファロメオのマシン(アルファロメオ提供)


 この間も世界で活躍する中国選手はいた。最もF1に近かったドライバーが董荷斌(タン・ホーピン、38)だ。オランダ生まれの選手で中国のライセンスでレースをしていた。2007、08、10年にはF2の前身シリーズのGP2に参戦し、決勝最高位2位と健闘。米インディカーにもスポット参戦したが、F1シートは得られなかった。

 中国本土生まれでは馬青驊(マ・チンファ、33)もその名が知られている。14年に世界ツーリングカー選手権で優勝し、電動車のフォーミュラEにも参戦。F1のHRTやケータハムでテストドライバーも務めるも、こちらもレギュラードライバーにはなれなかった。

 アルファロメオはスイスに本拠を置くザウバーが運営しているが、ザウバーでF1を振り出した選手は大成するといわれる。

 2001年にデビューしたライコネンはF1チャンピオンとなり、02年にデビューしたフェリペ・マッサ(ブラジル)も08年にフェラーリでシリーズ2位を獲得。その時は王者となったルイス・ハミルトン(英国)にわずか1点差で敗れた。現レッドブル・ホンダで今季初優勝したセルジオ・ペレス(メキシコ)も11年に初参戦した時の所属先がザウバーだった。

 周冠宇は実力も折り紙付きだが、中国のスポンサーもバックについており、3000万ドル相当(約34億円)の資金力を備えているという。各チームに対して予算制限ルールが適用されるものの、中堅チームのアルファロメオにとってはこの持参金が車体開発でプラスに作用するはずだ。

 来季は新型コロナウイルスの影響で母国の中国GPが開催カレンダーから外れてしまったが、周冠宇効果で中国でのF1人気は大幅に高まる見通し。来年初頭には北京冬季五輪も組まれており、感染状況が好転すれば、2023年はおろか、来季のカレンダーに緊急追加されることもあり得るとみている。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

◆2022年F1ラインアップ
▼メルセデス
44 ルイス・ハミルトン
63 ジョージ・ラッセル
▼レッドブル
33 マックス・フェルスタッペン
11 セルジオ・ペレス
▼フェラーリ
16 シャルル・ルクレール
55 カルロス・サインツ
▼マクラーレン
3 ダニエル・リカルド
4 ランド・ノリス
▼アルピーヌ
14 フェルナンド・アロンソ
31 エステバン・オコン
▼アルファタウリ
22 角田裕毅
10 ピエール・ガスリー
▼アストンマーティン
18 ランス・ストロール
5 セバスチャン・ベッテル
▼ウィリアムズ
6 ニコラス・ラティフィ
23 アレクサンダー・アルボン
▼アルファロメオ
77 バルテリ・ボッタス
– 周冠宇
▼ハース
9 ニキータ・マゼピン
47 ミック・シューマッハー

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)







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