66年ぶりにF1モナコGPが開催中止に 延期ではなく中止になった理由とは
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、F1モナコGPを開催するモナコ自動車クラブ(ACM)は3月19日、5月24日に決勝を予定していた今年の開催を中止すると決断した。同GPが開催されないのは1954年以来、66年ぶりだ。
昨年のモナコGP(ダイムラー提供)
延期しても開催は難しいと判断
その直前に国際自動車連盟(FIA)から5月に予定されていたF1の第5戦オランダGP(5月3日決勝)、第6戦スペインGP(同10日決勝)と第7戦モナコGPの延期が正式発表されていた。それを受けたACMは「世界的な大流行で先行きが見えず、チームも参加できるか確実でない。しかも入国制限もあり、大会を成功するための1500人以上の労働力やボランティアを確保することができず、もはや開催する状況ではない」とし、延期しても開催は難しいと判断した。
モナコGPはF1になる前の1929年に第1回が開催され、5月第4週に実施するのが伝統。F1で唯一、週末の4日間を使って開催されるのは格式の高さの表れだ。
そのため当初から同自動車クラブは日程変更を望んでいないとされ、16日の段階では「予定通りの日程で実施する」とのスタンスだった。それが19日には国家元首のアルベール2世公が新型コロナウイルスの検査で陽性だったと発表され、中止の機運がさらに高まったとみられている。
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