巨人・野上が制限超え80%ダウン プロ野球で過去最大の減額率だった選手は?
杉内に次ぐ厳しい減額率が、2002年オフのヤクルト・伊藤智仁投手で、88%ダウン。年俸8000万円から7000万円減の1000万円で更改した。既に右肩の手術を3度も受けており、2001はわずか1試合、2002年は1軍登板なし。球団からは引退勧告を受けていたが、本人が現役続行を強く希望し、当時最大減額率となる減俸を受け入れた。
だが、伊藤もその後1軍のマウンドに戻ってくることはなく、2003年限りでユニホームを脱いだ。
球団側も復活の見込みが薄いからこそ、それだけ大きな減額率に踏み込めるのだろう。それだけに復活への道のりは容易ではない。
ただ、野上が手本とすべき身近な成功例が、減額率第3位にいる。
昨オフの巨人・中島宏之内野手は、年俸1億5000万円から87%にあたる1億3000万円減の2000万円で更改した。巨人移籍1年目の2019年は43試合の出場で、打率・148、1本塁打、5打点に終わっていた。
「何もできなかったなというのが一番」と悔しさをにじませた中島。「下がるのは当然。またチャンスをもらえた。何とか貢献したい」とその思いをバネにオフから厳しいトレーニングを怠らなかった。
今季はかつての勝負強さが戻り、主に一塁手として下位打線でチームの首位快走を支えた。若いチームでベテランとしての存在感を示し、100試合に出場して打率・297、7本塁打、29打点。リーグ2連覇になくてはならない存在となった。
野手としては市場最大減額率という屈辱を、結果で見返した中島。当然、このオフには昇給が見込まれている。身近にいる成功例を見本とし、野上も西武時代にみせたクレバーな投球をもう一度取り戻してもらいたい。
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[文/構成:ココカラネクスト編集部]