次々に飛び交う改革論、課題多きFA人的補償だが過去には糧として新境地開いた名プレーヤーたちも
もっとも人的補償を契機に、キャリアを大きく好転させた選手たちも数多くいる。
福地寿樹は2007年オフ、石井一久を獲得した西武から人的補償としてヤクルトに移籍。当時32歳だったが、2008年には外野の定位置を獲得し、プロ15年目で初の規定打席到達で打率・320、9本塁打、61打点と暴れて、42盗塁で初の盗塁王に輝いた。
巨人から広島へ2014年に移った一岡竜司は、セットアッパーとしてリーグ3連覇に貢献。2017年に巨人からDeNAへ人的補償で渡った平良拳太郎は先発ローテーションの一角を担った。楽天からロッテの小野郁、逆にロッテから楽天の酒居知史は、ともにブルペンで欠かせない存在に。昨オフに近藤健介の人的補償としてソフトバンクから日本ハムへ移籍した田中正義は、複数球団競合のドラフト1位という潜在能力を新天地でようやく花開かせ、守護神として昨季47試合で2勝3敗、25セーブ8ホールド、防御率3・50と大活躍してみせた。
歴史を振り返って見ても、現状のシステムには問題点が多くあるのは確か。システムの改善へ、NPBにはリーダーシップを発揮する改革が求められる。同時にこれを機に、糧へとした選手も数多く、甲斐野には絶対的な抑えが不在の新天地で、ソフトバンク球団を見返す活躍を期待したい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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