人的補償はやっぱり必要? 無視できないFAで「奪われる側」の声
しかし、これらの報道には失われがちな視点があります。
FAで「奪われる側」、すなわち選手を見いだし、育てながらも他球団に「持っていかれる」側の声です。
12球団で最多の21名が「FA流出」した西武のファン(40代男性)は、こう語気を強めます。
「『悲劇』と言いますが、トレードでも普通に『あの球団に行ってくれ』という例はあるわけですよね。FAに限ってのみ、球団の都合で選手が動くことが『かわいそう』と言われることが納得できません。そして何より、我々西武ファンは毎年夏を過ぎると、『今年もいなくなるのか』という恐怖に怯え、秋になると実際にいなくなるわけです。FAは選手の権利であることは、頭では分かっています。しかし、選手を失う側からすれば戦力の補充という点において、人的補償はなくてはならないものだと思います」
今回も山川を失ったことは痛手でしたが、補強ポイントの中継ぎに甲斐野が加わったことで、西武ファンの「傷心」はかなり癒やされた形になります。
前述のファンはこう締めくくるのです。
「確かに所沢には都心から通うと遠いですし、春先は寒く、夏は暑い。密閉式のドーム球場に比べるとハードな環境だと思います。でもファンはあたたかく、選手個々を強く愛してくれます。甲斐野投手も熱烈に迎えたいと思いますね」
新天地は「住めば都」となるか。勝負の2024年シーズン、開幕が待ちきれません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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