野村監督から教わった指導者論、人を育てると言う事
来季ヤクルトの2軍チーフコーチを務める橋上秀樹氏。現役時代をヤクルト、日ハム、阪神で過ごし、引退後は楽天、巨人、西武、日本代表のコーチを歴任した名参謀だ。
現役時代は黄金期のヤクルトで野村克也監督の教えを受け、引退後はプロ野球に新規参入した東北楽天ゴールデンイーグルスに請われ、コーチに就任。2007年からは野村監督の下ヘッドコーチとして献身し、2009年に球団史上初のCS進出を果たした。そんな「野村ID野球の申し子」に話を聞いた。
野村監督の考えをもっと聞きたいという作業を繰り返して距離感が近くなった
選手の時の野村監督は近寄りがたい存在でしたね。でも、僕自身が指導者になって、野村さんと接する事が増えて、話しかけやすい雰囲気になっていきました。
楽天時代はヘッドコーチで、野村さんと色々な話しをしないといけない立場なので、こちらから話しかける必要がありました。選手の時は自分の方から野村監督に話しかける事はあまりなかったですね。自分の中で、野村監督と「選手・橋上秀樹」との間で距離感を作っていたと思います。でも、「コーチ・橋上秀樹」は野村監督に対して距離感を持っていたら仕事にならないので、自分の方から距離感を縮めさせて頂きました。
どんどん色々な話しをして、野村監督の考えを聞いて、更に聞きたいという作業を繰り返していって、距離感が近くなりましたね。
元々、選手として野村さんに出会って色々なことを教わった事が、今でも自分が野球界で仕事を続けられている大きなキッカケになった事は間違いないです。そういう意味で、野村さんと(野村監督の右腕と言われた)松井優典さんには一生頭が上がらない。この2人によって、人生の大部分を占める野球で未だに仕事ができる事に非常に感謝しています。