甲子園の名勝負生まれない? センバツで「1週間500球」新ルール適用

タグ: 2021/3/1

 3月19日に開幕する2021年のセンバツ高校野球。甲子園で初めて「1人の投手が1週間に投げられる球数が500球以内」の新ルールが導入される。故障防止のため、本来は2020年センバツから実施予定だったが、新型コロナウイルスの影響で春、夏の大会が中止。全国の大舞台で球数制限の影響がどう出るか、注目されている。

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 近年の甲子園では、2018年夏に準優勝した金足農(秋田)吉田輝星が決勝までの全6試合に登板。総投球球は881球で、2回戦の大垣日大から1週間で592球を投じた。もし「1週間で500球」ルールがあったら、日大三との準決勝途中で降板しないといけなかった計算になる。第100回記念大会の主役となった公立高校の快進撃は、生まれていなかったかもしれない。

 1人のエースによる熱投が数々の伝説を生んできた。2006年夏に優勝した早実・斎藤佑樹は、田中将大率いる駒大苫小牧との決勝再試合を含め1回戦からほぼ1人で投げ、投球数948球は1大会最多記録。1週間だと最大689球も投げた。1998年夏の横浜・松坂大輔(中日)は準々決勝PL学園との延長17回を投げ抜くなど1週間643球。高校野球ファンの胸を躍らせる名勝負は、球数制限によって出にくくなる可能性がある。





 一方、ケガ防止の画期的な取り組みとして期待は大きい。甲子園で1週間に650球以上を投げた主な投手では、1991年夏の沖縄水産・大野倫(674球)が肘を疲労骨折して投手を断念。1989年夏の仙台育英・大越基(676球)、2010年夏の興南・島袋洋奨(667球)らは投手でプロ入りも未勝利に終わり、登板過多による影響を指摘する声もあった。

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