甲子園の魔物より恐ろしい「魔物」とは
プロ野球界が、目に見えないコロナウイルスの猛威に追い込まれつつある。
感染拡大するロッテが、球界初の「クラスター(感染者集団)」と、本拠地を置く千葉市から認定された。4日に陽性が確認されて球団が発表した投手の岩下に続き、主力野手の角中、荻野らの感染が6日に判明。選手7人、コーチ1人、チームスタッフ3人合わせて感染者は11人にものぼった。濃厚接触者も7人に増え、1、2軍で大量の選手入れ替え。2軍の試合は人数が不足し、開催中止とドタバタ騒動になった。
感染した選手全員が無症状。問題視されているのは、感染経路が不明であることだ。松本球団本部長は「対策は徹底的にやった。コロナは恐ろしいと改めて感じた」と話した。9月26日までに実施した定期検査では全員陰性だった。遠征時の会食は部外者を含まない4人以内とするなどルールを設けているが、10月1日までの札幌遠征で外食した選手は1人もいなかったという。感染源がわからず、わずかな期間で感染が拡大した。
9月末に選手スタッフ計6人の感染者を出した阪神の場合、「球団が決めた外食ルールを破った」ことに焦点が当たった。会食は球団指定日に4人までと決められていたが、岩貞、陽川、糸原ら8人で外食に出かけたグループは4人が感染。だが規則通り4人で外食した浜地、馬場も感染した。いずれにせよ球団の決めたルールでは感染を防げなかったため、球団幹部は謝罪した。