「全試合出場するためにもさらなるパフォーマンスを」ラグビー王国ニュージーランドで日々研鑽中の姫野和樹の誓い
世界最高峰レベルにあるニュージーランドのラグビー「スーパーラグビー アオテアロア」、スピードや強度をつぶさに堪能できると同時に、選手たちの優れた創造性や現地ファンの熱い応援などが大きな見どころとなっている。
そのアオテアロアの厳しい戦いの中に身を置き堂々と渡り合っているのが、2021年の日本代表候補に選出されたばかりでもあるハイランダーズのFL/No.8姫野和樹だ。
WOWOWにて、姫野選手に加え元日本代表のトンプソンルーク氏と大西将太郎氏の三者によるスペシャルトークを展開している。今回は、その姫野選手の単独インタビューを行なった。
※今回のインタビューは姫野選手がアオテアロアデビューを飾った3月26日のハリケーンズ戦の翌週に行ったものです。
写真:WOWOW
──仲のいいトンプソンさんと大西さんとのクロストーク、いかがでしたか?
「トモさん(トンプソンさんの愛称)からのアドバイスをはじめ、いい刺激をいただきました。トモさんは『ONE TEAM』の仲間ですし、将太郎さんもいつも気にかけてくれていますのでありがたい限りです。また、しばらく英語で生活しているので、こうして日本語を思い切り話せる機会はうれしいですね(笑)」
──トンプソンさんは日本代表においてどんな存在でしたか?
「代表のレジェンドであり、チームの大黒柱でした。トモさんの運動量とパッション(情熱)はチームに欠かせないものでしたし、ベテランのトモさんががんばってくれたからこそ若手の選手たちも『もっともっとがんばらなきゃ』と思うようになりましたので、影響力は大きかったです。人がよく、プレーもいいトモさんを尊敬しています」
──アオテアロアでのデビュー戦となったハリケーンズ戦のパフォーマンスを、トンプソンさんも大西さんも高く評価していました。姫野選手の自己評価をお願いします。
「自分に合格点をあげられる内容でした。コーチ陣からも『よかったよ』と言われたのですが、満足することなく次のステップに向けて集中して臨みたいと思っています」
──後半9分からの出場となりましたが、このタイミングは想定していましたか?
「リザーブはどんな時間帯に呼び出されても100%のパフォーマンスが出せるように準備しておかなければなりませんので、もちろん想定はしていました。その時はチームの流れがよくなかったので、自分が流れを変えないといけないという思いはありました」
──試合後は「自分らしいプレーができた」とコメントしていましたが、ご自身の強みはどこにあると考えていますか?
「やはりボールキャリーとワークレート(仕事量)、ブレイクダウンでの強さといった部分だと思います」
──デビュー戦としてはボールタッチも多い印象でした。ボールを渡されることは信頼の証でもあると思いますが、いかがでしょうか?
「そうですね。ナギー(共同キャプテンのSHアーロン・スミスの愛称。ニュージーランド代表)はアイコンタクトで『ヒメ、行くよ』『ヒメ、すぐ来い!』という感じで合図をしてくれて、何度もボールを渡してくれました。試合前の時点でナギーから『ボールをどんどんもらいに来い!』と言われていたので、評価してくれているのだと思います」
──このハリケーンズ戦まで試合ができない期間が1年近く続きましたが、その代わりに体作りに専念できたそうですね。
「はい。体重も少し増えましたし、増えたからといって体が重く走れなくなった、という感覚もありません。自分の体の感触も含め、すごくいいトレーニングができていると思います。あとはゲームフィーリング(試合勘)を取り戻し、さらにパフォーマンスを上げていきたいです」