中嶋一貴らが駆るトヨタ8号車がルマン3連覇を達成 小林可夢偉は来年こそ「忘れ物」を取りに行く
中嶋一貴らが駆るトヨタ8号車がルマン3連覇を果たした(トヨタ提供)
一貴はトヨタのルマンプロジェクトに初年度の13年から携わっている。一方、可夢偉がトヨタの一員となったのは3年遅れの16年。チームは日本人を別々のマシンに乗せる方針のため、どちらかが優勝すれば、もう一方は必ず優勝を逃すという運命にある。一貴が3連覇したということは可夢偉が3連敗したことも意味している。
2人はジュニアフォーミュラの時代からしのぎを削ってきた同志であり、ライバルだ。ともにトヨタの育成プログラムを通じて、F1シートを射止めた。F1の最高位は2012年日本GPで3位表彰台を獲得した可夢偉に軍配が上がる。が、F3、GP2(現F2)、F1と先にステップアップしたのは一貴の方だ。F1を退いた後に参戦した日本のスーパーフォーミュラで一貴は3度タイトルに輝いた。一方の可夢偉は未勝利&無冠だ。
一貴、ブエミと組んでルマン優勝を経験したのは18、19年が元F1王者のフェルナンド・アロンソ(スペイン)。今年はブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)。2人ともF1時代にホンダとゆかりの深かったドライバーで、しかもトヨタへの加入は可夢偉より遅い。
だからこそ可夢偉は余計に悔しい思いをしていることだろう。ルマンのレース後に「3位という結果は望んでいたものでも、予想していたものでもありません。我々は今年もここルマンで非常に速かったのですが、レースというのは残酷です。我々はよく戦いました」とコメントした。
トヨタは来年から導入される新規定のルマンハイパーカー車両で4連覇を目指す。可夢偉にとっては「忘れ物」を取りに行く戦いが再び始まる。
[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]
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