ホンダ、劇的な大逆転で30年ぶり王座奪還!フェルスタッペンが初の世界チャンピオンに輝く

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日の丸を掲げるホンダの山本雅史マネジングディレクターとフェルスタッペン((c)RedBull Content Pool)


 第4期プロジェクトとして再参戦した2015年はトラブルの連続だった。最初にコンビを組んだマクラーレンの指示を受けて、コンパクトなパワーユニット(PU)を開発したものの、思うような熱処理ができず、初年度は10チーム中9位と大惨敗。同チームとは3年間提携した末に三くだり半を突きつけられてしまった。

 その後はルノーとの協力関係が悪化していたレッドブル陣営に助けを求め、まずはトロロッソ(現アルファタウリ)と提携。トップ級チームのレッドブルへの供給も決まると、ホンダはPUットの設計を一からやり直し、ホンダジェットの技術を導入するなどして上位を戦える力を取り戻した。

 F1撤退は昨年秋に発表され、今年が活動最終年となったが、無敵を誇ってきたメルセデスを倒すには一筋縄ではいかなかった。ハミルトンに終盤に3連勝されるなどして製造者部門でも首位を陥落。最終戦の決勝でも終盤にSCが出ていなければ、フェルスタッペンは2位となっていた可能性が高く、ホンダは無冠のままF1を去るところだった。

 第3期プロジェクトではリーマン・ショックの影響で2008年に活動を終了。当時はエンジンと車体を自作するワークスチームでの参戦で、最終年の車体の素性も良く、そのまま活動を継続していれば、すんなりタイトルを取っていたとの指摘がある。

 結局はチームの権利をホンダチームの代表を務めたロス・ブラウン氏にたったの1ポンドで売却。ホンダを継承した新チーム「ブラウンGP」は翌年にジェンソン・バトンをチャンピオンに導き、製造者部門とのダブルタイトルを獲得した。

 今回もカーボンニュートラル(脱炭素社会)への取り込みを強化するために撤退を決めた。世の中は電気自動車への移行がささやかれ、ホンダも狭山工場(埼玉)の閉鎖を決めるなど大きな方向転換を迫られている途上ではあるが、十分な戦闘力を整えながら、F1活動に見切りをつけてしまったことを惜しむ声は今も強い。

 ホンダのPUに関する知的財産権は今後はレッドブル陣営に移り、来季も間接的な技術供与を続けることにはなったが、実質的にはホンダの設計したPUが流用される。レッドブル陣営はレッドブル本隊とアルファタウリの2チームがF1を戦っており、どちらかにネーミングライツのように「HONDA」のバッジを残すこともできたと思う。

 これだけの高い戦闘力でF1に爪痕を残したのだから、去り際はもっと未練がましくあってほしかった。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)







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