【アジア杯総括】悪夢の後半に何が起きたのか 惨敗のイラン戦で浮き彫りになった森保采配の限界

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 粘りの人だから粘ってしまう。先手と後手は長短あるので一概には言えないが、とはいえ、板倉の状態とイエローカード、さらに前半ではなく後半の劣勢だったことを踏まえれば、やはり森保監督は動くべきだった。何よりプレーしている選手たちが、良い顔をしておらず、そのときはピッチ内の解決に限界を感じていた様子。特に、中山を投入しつつの3バック変更は、イランが仕掛けてきたロングボールへの対抗と、ハイプレスの回避、両方を実現する解決する可能性があり、最善の一手だったのではないか。

 1-0で粘っても、1-1で粘っても、モチベーションに溢れた対戦相手はそれを決壊させるほど攻め立てて来る。付け加えるなら、昨今のアディショナルタイム増加により、最後に耐えるべき時間が長くなり、そこで耐えられずに決壊するチームが増えてきた。日本も森保監督も、ここは考えなければならない。

 第2次チームになり、武器を磨く点では順調に成長してきた森保ジャパンだが、短所への脆さ、そして監督自身の采配の裏面は依然として残る。スタッフが一新されても、ここは変わっていない。

 前回の最終予選を思い返すと、日本の調子が上がらない時期には新しいセットプレーコーチとして菅原大介氏を招聘したり、その前にも上野優作氏をコーチ陣に加えるなど適宜、森保ジャパンは陣容を変えてきた。今回もそのタイミングということだろう。「采配」が敗退の大きな要因だった以上、このまま、というわけにはいかない。反町康治氏は3月末で技術委員長を退任すると報道されているが、誰が主導し、どのようにテコ入れを行うか。

 日本のアジアカップは終わっていない。まだ、幕は引けない。





[文:清水英斗]

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