PK戦の末に敗れ、涙に暮れたクロアチア戦から4年。日本は組織力とともに、個々の能力を着実に高めてきた(C)Getty Images
英国内のサッカー媒体で日本は「ダークホース」に
カタール大会では、ドイツとスペインをともに2-1で破り、昨年10月にブラジル、さらに今年3月にはイングランドにも勝利した日本。1996年のアトランタ・オリンピックで前園真聖や中田英寿を擁したU-23代表が成し遂げた「マイアミの奇跡」は、相手GKとDFの連携ミスから生まれた幸運な得点を必死に守る展開だった。しかし、それがどうだろう。今やフル代表でも、世界有数のサッカー大国に対して、組織的に勝ち切れるレベルとなった。
それだけに、本大会開幕を目前に控えた現段階において、イングランド国内のサッカー・メディアには、日本を「ダークホース」に挙げる媒体も少なくない。
スポーツ専門メディア『The Athletic』は「8大会連続で出場し、これまではノックアウトステージの1回戦が最高位。だが、現チームのタレント力は確かで、過去の成績を上回る可能性は十分にある」と評した。また、英公共放送『BBC』、英衛星放送『Sky Sports』、日刊紙『The Guardian』でも同様の評価が下されている。
大手ブックメーカーに目を向ければ、「Ladbrokes」は、「アジア最強のチームは、グループFを首位通過してもショッキングなことではない」とし、優勝オッズを「50-1」に設定。また、「Paddy Power」も「ソリッドなクオーターファイナリスト候補」と形容し、同じくオッズを「50-1」にしている。
サッカー界でも驚かれるペースで進化を続け、確固たる評価を固めつつある。だからこそ、前出のバーロウ記者は、日本の躍進を断言する。
「彼らは強いチームだし、ワールドカップでもハイレベルなパフォーマンスを期待できる。どの国のサッカーシーンでも、今の日本代表を“軽く”見る人はもういないだろう。少なくとも、我々のいる英国内で、そう考えるサッカー関係者はほぼ皆無だ」
さらに日本の総合力を「ワールドカップでの経験値も高まり、スカッドを見れば、ヨーロッパで活躍する選手の名が並ぶ。チーム全員がハードワークを厭わないスタイルと高い組織力は健在で、加えて個のレベルも大幅に向上している」と評するバーロウ記者は、こうも続けている。
「すでに話した通り、日本には選手層の厚さも備わっている。正直、グループリーグ首位通過の最有力候補はオランダだと思うが、2位で突破してベスト16まで進む可能性は十分にあるはずだし、何ら驚きではない。あえて言えば、あのチームが逆にグループリーグを通過できないようなら、そのほうがサプライズになるだろう」
運命の開幕まで約1週間。日本国内のみならず、海外でも評価を高めている現在の日本代表は、オランダ代表との大会初戦をどう戦うか。その戦いに国際的にも大きな関心が寄せられているのは間違いない。
[取材・文:松澤浩三 Text by Kozo Matsuzawa]
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