米球界席巻の“魚雷バット”はなぜ生まれた? 開発者が誕生秘話を告白「選手は投手の質向上に不満を覚えていた」
物理学の博士号を取得した後にミシガン大学で教授を務めた異色の経歴を持ち、現在、マーリンズのフィールドコーディネーターを務める同氏は、米メディア『The Athletic』などの取材で「選手たちはどこでボールを打とうとしているんだろう」という素朴な疑問がバット開発のキッカケだったと明かした。
「とにかくバットでボールに衝撃を伝えたい部分を、できるだけ重く、太くすることが大事だと考えた。選手たちの通常のスイートスポットは、バットの先端からおそらく6インチか7インチ下の位置だと分かったんだ。そうした話し合いや分析を通して、普通なら先端に集める木材の量とスイートスポットに入れる木材の量を入れ替えたらどうかと提案したんだ」
さらに「選手(打者)たちは球界の投手たちの質が高まったことに不満を覚えていた」と明かしたリーンハート氏は、「私の話を聞いてくれた選手たちに感謝したい。クレイジーな話だからね。何よりも大事なのはバットじゃなくて、バッターたちだ」とも告白。そして、こう続けている。
「最終的には選手たちが良いスイングをして、良い球を打てるか、そして日々努力するかどうかにかかっている。だから彼らが打てているというのは努力の賜物ではある。ただ、このバットの開発にはいろいろな人の協力があった。バットを作るためにさまざまな種類のモデルを試してきた。そういう過程を経て今があることを忘れたくはない」
そして、「バットのデザインをどう変えるかで、スイングスピードも、もう少し上がるかもしれない」と語ったリーンハート氏。物理的な視点から野球界にメスを入れた彼の発明品の影響力がどう高まっていくかは大いに注目したいところだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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