宇田川が、湯浅がジャパニーズドリーム続々。過去最大昇給率はワケありの米帰りではなく、あの天才?
長い歴史の中で最大は、2010年の契約を楽天と更改した福盛和男とされている。前年の年俸440万円から、4600万円増の5000万円へと昇給。アップ率は1036%で、これが最大と認知されている。
だが、この数字には裏がある。福盛は2007年オフに楽天からFA権を行使。2008年からレンジャーズと2年総額300万ドル(当時約3億4000万円)の契約を結び渡米した。
しかしメジャーでは4試合の登板に終わり、2009年6月に解雇。福盛は入団テストを経て、古巣の楽天に復帰した。その際に年俸440万円となったのだが、実はこのシーズンはレンジャーズからもサラリーを得ている。解雇でも2年契約の支払い義務は消えず、150万ドル(当時約1億7000万円)をレンジャーズからもらいながら、楽天でプレーしていたわけである。
復帰した福盛は守護神として輝きを取り戻した。35試合で7勝1敗、10セーブ4ホールド、防御率2・18でチームの2位躍進に貢献。球団創設初のクライマックス・シリーズ進出の立役者の一人となった。
その功績から、翌年は年俸5000万円で更改したのだが、前年は1億7000万円以上を手にしており、事実上の減俸状態にあったわけだ。
シンプルなアップ率でみれば、それに続く1995年のオリックス・イチローの900%アップが、歴代最高とみていいだろう。デビューと同時にシーズン210安打を放ち、驚異の打率・385でリーグ優勝に貢献。年俸800万円から7200万円増の8000万円と一気にトッププレーヤーの仲間入りを果たした。
それに続くのが、11月30日に契約更改したばかりの阪神・湯浅京己。500万円から4200万円アップの来季年俸4700万円で更改し、球団史上最高の840%増を成し遂げた。
サラリーマンからしたら、うらやましい限りの驚くべき昇給率。生活を一変させる彼らが、30年近く前のイチローのようにスターダムを駆け上がっていくのか。来季のマウンド上での姿が今から楽しみだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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