『神童』那須川天心を育てたRISE伊藤代表を直撃①「(6月の天心VS武尊戦は)お互いに負けられない試合。だからこそ面白いわけでしょ?」
RISE伊藤隆代表といえば、元はキックボクシングの世界王者の実績を持つ男。現在はRISEという立ち技格闘技イベントを主催し、2014年からは那須川天心をプロデビューさせ、ここまで育ててきた。天心は来る4月2日に東京・代々木体育館で開催される「Cygames presents RISE ELDORADO 2022~Tenshin Nasukawa RISE Final Match」でRISEラストマッチを行い、6月にはファン待望の武尊戦も実現する。
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――天心選手のRISEラストマッチの相手が、同門の風音選手に決まりました。
「賛否はあると思うんです。ただ、天心と一緒に練習していたのが風音であって、所属は『TARGET/Cygames』になっているんですね。風音の所属は「TEAM TEPPEN」だから、両者は先生(那須川弘幸会長=天心の父親)が一緒だったということ。それでも、同門対決になることは私も悩んだこともあった。ただ、那須川会長から、天心の最後の相手は風音でやらせてくれと」
――那須川会長のほうから?
「そうです。それでその後、天心に打診したら、『やります、思い知らしてやります』と。そんな流れから、那須川会長も『俺は風音に付く』と。だから相手は風音ですけど、最後の敵は『親父』ということですね」
――天心選手は、会見上で「なかないですけど、大舞台での親子ゲンカですね」と言っていました。まさに人気漫画『刃牙』や『巨人の星』の世界ですね。
「そう。そんな感じですよね。ただ、それはただの対戦相手ではできないと思うんです。ともに一緒にやっていた。ともに苦しんでやってきた仲間だからこそやれるんです」
――試合に向けて天心選手と風音選手は、ジム内で一緒に練習しているんですか?
「いや、今はお互いを敵と認識して、時間を別にしてやっていますね。それと天心は今まで『風音』と呼んできたのに、会見では『選手』をつけていたじゃないですか。それはお互いを敵と認識しているからです」
――たしかに、去年の秋、風音選手が対戦表明した際も、天心選手は「100年早い」と一蹴していました。
「今までそういう仲でやってきたからこそ、天心も『俺を超えてみろ』と。『甘くねえぞ』と。二人の関係があるからこそ、こういう対戦になるんです。まあ、終わればノーサイドなので…」