米リバティ・メディアがわずか4年でF1事業の売却を検討か 大きく外れたその思惑とは
モトGPが開催されているカタールのロサイルインターナショナルサーキット(ホンダ提供)
さらに自動車業界も近い将来に向けてガソリン車、ディーゼル車を廃して世界的に電気自動車(EV)に移行する傾向にあり、ガソリンエンジンを主体に活動してきたF1も岐路に立たされている。実際にパワーユニットをレッドブル、アルファタウリに供給していたホンダも二酸化炭素の排出量を抑制させる概念「カーボンニュートラル」の実現にシフトすべく、今季でF1活動を終了する。
中東はオイルマネーで発展した地域でもある。EV化に伴い、石油需要は2030年ごろには減少に転じるとのデータもあり、同時に原油価格が下落傾向となる恐れはある。このままでは中東諸国にとっては大きな打撃になってしまうのだ。
すでにモータースポーツ界では電気モーターで駆動する車両によるフォーミュラE世界選手権が存在しており、F1が電気モーターとガソリンエンジンを組み合わせた現行のハイブリッド方式を継続していく可能性はある。そうなるとF1と中東が将来の命運をともにする共存の関係になってもおかしくはない。
特にサウジアラビアでは近年、モータースポーツの誘致に積極的で今年2月にフォーミュラEの公式戦が初開催され、世界一過酷なラリーと呼ばれるダカールラリーもアフリカ、南米を経て現在はサウジアラビアを舞台としている。おそらくリバティ・メディアもF1の売り時を見定めているに違いない。
[文/中日スポーツ・鶴田真也]
トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)
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