来季こそ「生きた教材」イチローが必要 解体&再建モードで若返りのマリナーズ
「彼の試合に臨む姿勢。クラブハウスでの準備の仕方。それを直に見ることは、若手が増えてきた我々のチームにとって何よりの財産となる」と同GMは話す。
5月の特別補佐就任後も、試合中にベンチ入りこそしないものの、イチローはチームに同行し、選手たちと一緒に練習して汗を流し続けてきた。来季意向も現役で居続けたいイチロー。そして若手の生きた教材としての役割を望んだ球団側と。両者にとってウィンウィンな関係が構築されていた。
そしてマリナーズは、さらに大幅な若返りへと舵を切った。
トレードで、ただ高額年俸の実力者たちを放出しただけではない。当然交換要員として、将来チームを背負ってたつであろう金の卵たちを各球団からごっそりと集めた。
ヤンキース傘下マイナーのジャスタス・シェフィールド投手、フィリーズ傘下マイナーのJ・P・クロフォード遊撃手らは、全米トッププロスペクト(若手有望株)ランキングでも上位に名を連ねている。彼らを育て上げ、2021年には勝負に打って出る。そのための教育係として、イチローほどうってつけの存在はいない。
かねてからディポトGMは来年3月の日本での開幕戦でのイチローのベンチ入りの可能性を強く示唆し、来春キャンプでの選手復帰を明言していた。
解体&再建モードに入ったからこそ、チームはよりイチローを必要としている。日本開幕戦へ向けた客寄せパンダなどではない。GMの前向きなイチロー現役復帰発言の裏には、しっかりとしたビジョンがあったと見るべき。メンターとして、イチローは今のマリナーズに欠かせない「戦力」に違いない。
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[文/構成:ココカラネクスト編集部]