原監督 異例の「長期政権」で波紋「暗黒時代」を危惧する声も
トレンドと逆行する選択となった球団も、原監督と長期契約を結ばざるをえない事情も見え隠れする。後継者不在だ。次期監督には来季、作戦兼デフェンスチーフを務める阿部コーチの昇格が順当と見られているが「二軍監督は務めたが、一軍監督を務めるには禅譲期間が必要ということでしょう。原監督の下で来期は帝王学、チームマネジメントを一から学ぶことになる」(同)
原監督も監督昇格の前には長嶋監督の下でヘッドコーチとして2年間、薫陶を受けた経緯もある。
一方で原監督が来季も指揮を執れば、監督通算16年目となり通算15年務めた長嶋氏を超え巨人では歴代単独最長となる。第1次政権は2年、第2次は10年、第3次となる今回も4年目に突入となることでこんな懸念の声も。
「前回の政権時もそうだったが、どうしても長くなると組織の硬直化が目立ってくる。簡単にいうと原監督の権限が肥大化することで、直言できる人物がフロント、チーム内にどんどんいなくなってしまうことを危惧している。間違った方向にいってしまったときにブレーキをかける人物がいればいいが」(同)
今季は日本ハムで同僚に暴力行為を起こした中田を無償トレードで獲得したことも大きな話題を集めた。この人事も当時の日ハム・栗山監督と原監督のホットラインでほぼフロントに相談なく、独断で決めたともいわれている。
今回の3年契約にはチーム全体の底上げ&次代の指導者育成の命題がある。とはいえ原監督自身、かつて「プロの世界は1年1年が勝負」と話したようにプロ野球の世界においては、成績が全てという認識は強く持っている。まずは「強いチームをつくり、ファンに愛されるチームをつくる」という目標をいかに達成するか。弱い巨人はもう見たくない。チーム再生へ、来期は指揮官の力がより問われる年となりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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