髙阪剛『UFC240』の展望を語る「ホロウェイを崩すには打ち合いしかない」「堀江は勝つことだけを考えてほしい」

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写真:Getty Images

――殴り合いになることは避けられないが、突破口もまたそこだと。
「そこしかないです。距離を取った状態のままだったら、何もチャンスはこないので。もちろん、エドガーは相手が前に出てきたところにカウンターでタックルに入って、グラウンドでコントロールするのも得意なんですけど、ホロウェイはスタンドに戻すのもうまいですからね。」

――そうなるとテイクダウンを奪ったエドガーの方が、スタミナ的に削られることにもなりかねないです。
「あとは倒してからのキープに固執しすぎると、ホロウェイは立ち上がり際の打撃もうまいので、そこをもらってしまいかねない。だから、エドガーは立たれそうになったら、その前に手を離して次の体制に入ったほうがいい。そう考えると、グラウンドで立たれそうになったとき、手を離すことができるかどうかも、もう一つのポイントかもしれないですね。」

——では、スタンドではリスクを負って前に出るしかないし、グラウンドに固執しすぎてもいけない。エドガーにとっては、どちらにしろ、ある程度はホロウェイの土俵で闘わざるをえないわけですね。
「だからこそ、厳しい展開は避けられないんじゃないかな、と思うんですよ。自分が考えるかぎり、エドガーは自分から距離を詰めて打撃を入れて、すぐにステップで離れる。またテイクダウンをしてポイントは取るけれども、立ってきたらすぐ手を離す。これを繰り返すしかないんじゃないかと思うんですよね。」

――スタンドでもグラウンドでも深追いはせずに、ダメージを与え続けるしかないと。
「でも、エドガーサイドもそれを承知でこの試合を受けていると思うので、自分が考えている以上の戦略を立ててトレーニングを積んでいるとは思うんですよ。また、エドガーがここまで培ってきた技術、経験の蓄積と、試合中のひらめきで何が起こるかはわからないので。自分の想像を超えるようなホロウェイ攻略法を見せてほしいなって思いますね。」

写真:WOWOW

——また今大会は、髙阪さんのジム「アライアンス」に所属する堀江圭功選手がUFCデビューを果たします。髙阪さんから見て、堀江選手の強みはどんなところですか?
「堀江は打撃が得意で、コンビネーションだとか当てる打撃のパターンをいくつか持っているんですけど、一番の強みはスピードですね。遠い間合いから踏み込むスピードと、パンチのハンドスピードは、UFCに出ているトップの選手にも引けを取らないものを持っていると思うので。だから、それをしっかり出せるタイミングとシチュエーションを作ることができるように、いまトレーニングしていますね。」

――いかにして踏み込んで、打撃を入れられるかだと。
「もう倒すイメージはできているので、そこに結びつけるための動き方や試合の展開作りっていうのをやっている最中です。本人も試合のイメージがほぼ固まっているので、今さら新しいことをやるというより、確信を持って自分の武器を使えるようにするのが大事。堀江の場合、重要なのはタイミングですね。自分の拳に体重を乗せるタイミングと相手との距離感が合ったときは、KOで勝てると思います。」

——対戦相手のハキーム・ダオドゥは、同じ打撃系ファイターでUFCでも連勝中。かなり強敵だと思いますけど、いかがですか?
「手強い相手だと思いますね。打撃の射程距離が長くて、ジャブとローキックが強いですよね。で、ジャブとローが強いということは、中に入らせないことができるっていうことなんですよ。また、ジャブを一発当ててからの打撃の畳み掛けも強い。それが向こうのやりたいことだと思うので、堀江はダオドゥのジャブが当たらないくらい、遠い距離の設定をしないといけない。そこから一気に入りこむことができるか、ということですね。」

――リーチが長くてジャブが得意な相手に、いかに入り込むか。そこが勝負のポイントになると。
「だから堀江は、ファイトスタイル的には堀口恭司選手に近いかもしれないですね。」

写真:Getty Images

――堀口選手も先日、自分より身長とリーチがはるかに長い選手に勝利してベラトールのベルトを奪取しましたが、そういう闘いができるかどうかだと。
「堀江は5月末から7月頭まで、アメリカのチーム・オオヤマの道場でトレーニングを積んできたんです。その時にフェザー級でダオドゥと同じような体格の選手が練習相手になってくれて、試合のイメージ練習がかなりできたらしいんですよ。だから、そのままの形を試合に持っていこうと、今やっているところなんです。」

――堀江選手はここ2試合、連続で1ラウンドTKO勝利を挙げているので、UFCでもそういう闘いを期待します。
「UFCの1試合目なので、ここでしっかり勝ち星を挙げて、次につなげてほしいですね。あとはまだ24歳なので、何も考えずに自分の攻撃をすることと、勝つことだけを考えてやってくれればいいなと思います。」

[取材/文・堀江ガンツ]

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7/29(月)よる11:00[WOWOWライブ]リピート
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【対戦カード】
<フェザー級タイトルマッチ>
マックス・ホロウェイ vs フランク・エドガー
<女子フェザー級>
クリス・サイボーグ vs フェリシア・スペンサー
<フェザー級>
ハキーム・ダオドゥ vs 堀江圭功

【出演】
解説:髙阪剛、堀江ガンツ
実況:髙柳謙一
進行:渋佐和佳奈

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