【現地発】佐々木朗希はなぜ“修正”できたのか ド軍投手コーチが明かした投球フォームの変化「身体をクロスさせすぎていた」

佐々木の修正力をマクギネス投手コーチ補佐は称えた(C)Getty Images
制球に苦しんでいた佐々木朗希が、徐々に本来の姿を取り戻しつつある。3月19日、メジャーデビュー戦となった東京ドームでのカブス戦は3回を投げ、1安打1失点。本拠地ドジャースタジアムで初登板となったタイガース戦では、1回 2/3 を3安打2失点で降板した。いずれも四球でリズムを崩し、2試合合計で9四球と乱れた。
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「シンプルに技術不足かなとは思ってます」
佐々木は、2度目の先発登板後に、現実を受け止めながらこう言った。ロッテ時代の4年間で、四球率(9イニングあたりの四球数)は2.0だったが、ドジャース移籍後、最初の2登板で19.28に跳ね上がった。まだサンプルが少ないことを考慮しても、明確な差があった。ロバーツ監督は「ロウキはキャリアを通じて、制球力が優れた投手。四球を与えないし、ストライクゾーンに投げられる」と評価していたが、メジャーではスタートから思わぬ課題が露呈した。
一方、3度目の先発となった4月5日のフィリーズ戦では、先制点を与えたものの、躍動感あふれる投球で強力打線を1失点に封じた。この日の四球率は4.5と改善。登板間のブルペン投球でつかんだ感覚があったようだ。動作解析やピッチング・メカニクス(力学)の改善に長けているコナー・マクギネス投手コーチ補佐が、佐々木の修正力の高さについて証言した。
「少し、(投げる時に)身体をクロスさせすぎていたと感じていたようだ。前回の登板でヒップを少し早く回転させて、(力を伝える)方向を改善できるように修正をした。我々にとっても非常に大きな前進だったし、彼の修正は素晴らしかった」
佐々木は前回の登板後、身体の正面よりも三塁側寄りに左足が着地する、いわゆるインステップ気味の投球フォームだったことに気づき、改善したことを明かした。同コーチは「素晴らしい感性と(修正する)能力がある」と称賛した上で、ピッチクロックやメジャー使用球への対応についても「どれほどいい感覚で、慣れてきているかが、よく分かる」と分析した。