異質だから面白い!J1に旋風を起こす町田イズムの「真髄」と勝ち続けるための「課題」

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 スカウトから見れば、これほど仕事をしやすいクラブは珍しいかもしれない。近年、横浜や川崎が隆盛を極めた要因の一つには、スタイルの確立による補強の効率化が挙げられるが、その点では町田も引けを取らない。各ポジションに欲しい能力が、明確すぎるほど明確だ。

 その結果、浦和やFC東京では出場機会が少なく、燻っていた柴戸や鈴木など、現代サッカーのトレンドを追うチームの中で存在感を薄めてしまった選手のスペシャリティが、町田で再評価されることになった。皮肉な話だが、単純に投資額が多いだけでなく、トレンドを逆手に取ったような戦い方が、町田を買い物上手にしている。

 そうしたスペシャリティを固定的に活用するので、戦い方は統一されている。だが、武器が通じなければ、下手に動かず、そのまま0-0で許容する割り切りもある。徹頭徹尾、崩れない。町田ゼルビアは動じない。厄介なチームだ。

 一方、巷ではロングスローが話題になっている。これは徐々に下火になるか、議論の視点を変えるか、ともすれば弱点になると筆者は予想する。3節では鹿島がスロワーの前に人を置いてジャンプさせ、町田のロングスローを邪魔する対策を取った。投げる地点の2メートル以内に近寄らなければ、規則上問題はなく、その2メートルも厳格に計測するわけではない。有効な対策だ。

 また2節では名古屋が、町田のロングスローを長身守備陣が跳ね返したが、そのこぼれ球を、ロングスローを投げた鈴木自身に拾われ、フリーで蹴ったクロスから唯一の失点を喫していた。鹿島が取った対策は、このようなこぼれ球への準備、スロワーへのマークも含めて有効だ。今後、各クラブが踏襲すれば、ロングスロー対策は明確になる。

 さらに『Footballlab』が昨年掲載した記事、『ロングスロー攻撃をデータで検証する』(https://www.football-lab.jp/column/entry/849)によれば、ロングスロー後、逆にカウンターを食らってシュートへ持ち込まれる割合は、J3よりもJ2、J2よりもJ1と、カテゴリが上がることに増える傾向にあるそうだ。選手のクオリティによるが、今後、町田のロングスローは鹿島のような対策と、被カウンターリスクにより、効果が減るか、逆に弱点になる可能性もある。





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