「幸せになりたかったら、腸を整えなさい」の著者に聞く、「脳腸セラピー」と言う考え方
ふとした瞬間に目を瞑り、今の自分と向き合う
Q :サロンのお客様は、どういった悩みを抱えた方が多いですか?
桜華:痩せたい、美肌になりたい、不調を改善したいなど、さまざまな目的をお持ちの方がいらっしゃいます。お客様に心や体のことを伺いながら施術をするのですが、冷えやむくみ、こり、眠れない…など、さまざまな不調を抱えられていて、それらを紐解くと多くの場合に、自律神経(心・脳)と腸の乱れが影響していることも分かりました。これが「脳腸セラピー」という考えにも繋がっています。自律神経が整えば体も変わりますし、体が変われば心も安定します。私の経験でもありますが、自分自身の体を知れば知るほど、不調やその理由を見つけやすくなり、扱いやすくなると感じています。
Q :自分の体や心の状態を知るために、どのようなことをすれば良いですか?
桜華:いろいろな方法がありますが、簡単ですぐにできるのが、今の自分と向き合うことです。1回数分という、ほんの少しの時間で構いません。目を瞑って、最近は何となくお腹が張っているな、今日は体の右側が凝っているなとか。物事がうまく進まない、ちょっと気がかりなことがある…といったように自分の状態を感じること。日頃から体や心の状態、食や運動習慣など、自分自身を少し客観的に見てみることが大切です。また、腸は健康を維持するための要ですから、不調の時はSOSを出していることもあります。腸を目で見ることはできませんが、便秘や下痢といった症状だけでなく、便(べん)の色や形、においなどから、不調を見つけることもできます。
少し視点は変わりますが、もし美容や健康のために何か新しいことを始めるなら、まずは2~3週間継続してから一度自分の体と向き合い、どんな変化が起きているのかを感じるようにしてください。メディアで話題だから、有名な方が取り入れているからと、ご自身の体にも良いというわけではありません。体の調子が良くないなど気になる変化を感じた時は、その方法が自分には合っていないと判断して辞めることも大切です。辞めるには、自分の体を知っている必要がありますからね。
自分のことを理解できていると、物事に対して自然と落ち着いて判断したり、行動したりできるようになります。そして、自分が心地良くなる方法、リラックスできる方法を知っていれば、心と体にゆとりが生まれて、相手のことも理解することもでき、コミュニケーション力もアップしますよ。
知られていない!?腸のサイン。お腹のぐぅ~の音とおへその形
Q :腸について私たちが勘違いしていること、意外と知られていないことなどありますか?
桜華:先日出版させていただいた本でも紹介していますが、おへその形がぺたんと横につぶれている人は「落下腸」の可能性が高いと言われています。落下腸は、加齢や運動不足によって腸を支えている筋力が低下し、腸全体が下がることで、便やガスが溜まりやすくなったり、お腹がはっていたり、冷えや浮腫みといった不調を起こしやすくなると言われています。おへその形はどうでしょうか?ぜひチェックしてみてください。
また、お腹の「ぐぅ~」という音。実は、空腹のサインではなく、胃や腸が大きく収縮して胃腸内の食べ物を先へ運ぶ作業の音です。腸内を綺麗にしてくれる掃除をしている時間なので、音が鳴りやんでから食事をするのが理想です。もちろん、本当に空腹で音が鳴っている場合もありますので、我慢はしすぎないようにしてくださいね。音がよくなる時は、温かくて消化が良いものを食べるのがおすすめです。
他にも、肌荒れや食欲不振、目の疲れといったさまざまな不調にも腸は関係していると言われています。腸や胃、肺などの内臓、皮膚や髪の毛など、体はすべて繋がっているので、自分の弱いところに不調が出ることもありますね。腸は本当に奥が深く、説明の時間がいくらあっても足りません(笑)。