「太っている」が必ずしも不健康ではない!健全でないのは「〇〇なのに痩せられない人」
「痩せたいのに痩せられない」その本質とは
では、「痩せたいのに痩せられない」人を考えると、特に女性を中心に多くの人に当てはまると思う人もいるかもしれません。
「痩せたいのに痩せられない」その本質について、工藤先生は、この様に考えていると話しています。
「なぜ皆さん痩せられないかというと、そもそも知識自体は皆さんとても持っているんです。糖質制限であれば18時間食べないだとか、多くのトレーニング法や筋トレなど。そういった知識は持っているけれども、それができない、ということが僕は問題だと考えています。
肥満学会が定義している肥満症の治療というのが3つあって、1つ目が食事療法、2つ目が運動療法、そして3つ目が僕が1番得意としている行動療法。この行動療法が皆さんあまり知られていないものなんです。
これまでの傾向的に、痩せられない人は、心の問題を抱えている人が多い。行動療法で介入していくと、食事・運動療法もできる様になるんですよね」工藤氏は語る。
ここで一つ、皆さんに質問です。「運動不足が太る原因だ」。○か×か。
答えは、×です。運動不足だけでは太れないと言われています。
例えば、厚労省のデータを見ると、日本人の75%は運動不足なんですが、肥満の人は25%しかいないんです。
つまり、25%の人が食べすぎなだけ、というふうに考えられます。
なぜ多くの人がこれを間違えるかというと、運動する=痩せるが正しい。なので運動しない=太る、と考えてしまうんです。
実はこれ、日本肥満学会でも認識のズレが生じる質問項目の一つでもあります。
なので、そういった認識のズレや、イライラしているときに過食してしまう、とか夜勤明けにドカ食いしてしまうといった食べ方の癖の改善で痩せることは十分にできるんです。
現代では、多くの人が「痩せたいのに痩せられない」という悩みを抱えている方も多いと思います。
是非そういった方は、自身の「行動」について見直してみてください。その上でご自身の持つ食事や運動の知識と掛け合わせることで、痩せることへの道が近づくかもしれません。
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[文/構成:ココカラネクスト編集部]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
工藤 孝文(くどう・たかふみ)
福岡大学医学部卒業後、アイルランドとオーストラリアへ留学。
現在は福岡県みやま市の工藤内科にて、地域医療を担っている。
糖尿病、東洋医学・漢方治療、ダイエット治療を専門とし、NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などメディア出演多数。
日本内科学会・日本東洋医学会、日本肥満学会・日本糖尿病学会・日本高血圧学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・小児慢性疾病指定医。