胸苦しさや息がしにくい・・・これってどんな症状?
さて、「胸苦しさや息がしにくい」ですが、東洋医学の観点から見た場合、臨床では「心」の問題であることが実は多いです。それ以外にも「肝」から起こることも少なくありません。
「心」は「肺」と協力して「宗気」というものを作っていると東洋医学では考えていますが、これは現代医学で言うところの循環器と呼吸器が協力して全身に酸素を送っている状況にとても似ています(少し違いますが、そこは省略します)。この「宗気」の状況が良くないときは、臨床的には「心」が不調な場合をよく見かけるといった感じです。理論的には「肺」も考えられますが、前出の「外邪」によるものや、呼吸器系の疾患を元々持っている人以外では、「肺」を主体として起こっていることは多くないです。
「肝」は東洋医学では「疏泄」をつかさどると言いますが、この「疏」という字には、のびやかに、とか、自由にとか言うニュアンスがあるので、「胸苦しさや息がしにくい」などが「肝」の「疏泄」がうまく機能していなくても起こると考えています。現代社会では、現代医学的にも東洋医学的にも、肝臓や「肝」は負担が大きく、不調を出しやすいので、臨床的によく見かけるといった感じです。
鍼灸では、お体の状態を見て、どの「臓腑」や「経絡」に不調が出ているのかを判断してゆきますが、上記のように「心」や「肝」を中心に考えた取り組みをしてゆくことが多いです。
[文:蓬松(ほうしょう)鍼灸治療院]
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