医師に聞くグルテンフリーのメリットとデメリット
現代の日本の小麦はどういうモノなのか?
いま、日本に出回っている小麦は海外からのものが90%以上と言われています。
日本に小麦が登場したのは随分と前からで、弥生時代の遺跡からも小麦が発見されています。
日本はお米が主流というイメージがあるかもしれませんが、実は弥生時代には既に日本には伝わっていたのです。
流通という点では戦後からになりますが、弥生時代から小麦が生産され、使われていたようです。中国や朝鮮半島から伝わってきた小麦は鎌倉時代、室町時代の書物や文献では小麦を使った食べ物のようなものが、一部の身分の高い人たちは食していたようです。食べ方は「点心」や「おかゆ」のような食べ方をしていたようです。
今の時代の小麦の取り方とは違ったものと思われます。
日本で流通している小麦
日本で流通している小麦の90%以上は海外から輸入されている小麦です。
海外から輸入されている現在の日本の小麦は、昔ながらの小麦とは大きく異なるものになってしまっています。
その原因は品種改良、遺伝子組み換え、農薬の影響という3点があります。
先ほどはグルテンが与える悪影響を中心に話をしてきましたが、いま出回っている小麦のグルテンと昔からある小麦のグルテンを比べるとグルテンの含有率が大きく異なっています。
そのため現代の小麦はグルテンによるダメージがより大きくなっているという可能性もあります。
食糧難の時代、より多くの人に安定して食を供給できるようにするために小麦に改良が加えられるようになりました。
具体的には麦の穂は伸びてくると重くなって倒れてくるため育ちにくく生産性が落ちるものがあります。そのため、麦自体が倒れにくくなるようにより茎が強い品種と掛け合わせることによって生産性をあげるといった工夫がされました。
結果的には良い特性のものだけが育っていくという人工的な作られ方をしていきました。
小麦に限らず、野菜・果物でも同じです。果物なら甘くて、大きさが均一。というように生産者にとって良い要素だけを取り入れるようになってきています。
本来、自然界というのは様々なものが存在するのが普通なのですが、良いモノだけを掛け合わせて残していく、生産するという発想がでてきたのです。
その後、遺伝子組み換えという考え方が出てきます。これは本来自然界では起こり得ないことを起こすということです。
例えば、害虫に強くするために本来の小麦にはない、まったく違った遺伝子を組み込ませるということができるようになっています。
遺伝子組み換えによって起こる弊害は、本来その植物では起こり得ないことを無理矢理に起こさせるので、その植物が本来作らないようなたんぱく質を作ることにあります。あるたんぱく質の欲しい機能を働かせるためにプロモーターをいうものも遺伝子に組み込ませるのですが、このプロモーターが目的以外の遺伝子も起動させてしまい身体に有害な物質を作り出している可能性があります。
それが、私たちが摂取したときに身体のどこかに悪影響を及ぼしているかもしれません。
しかし、その辺りのことは実のところ分かっていないことも多いです。ただ、動物実験をすることによって「病気が増えている」という報告もあります。
遺伝子組み換えは主に米国で発展し、世界に流通していきました。近年では「がん」特に白血病が増えていっている原因ともいわれていますが、遺伝子組み換えによる影響は長い期間の調査が必要なため現時点では分からないことも多々あるような状況です。
ただ、長い期間をかけて判明した調査結果が分かった頃には人間の身体の側が蝕まれているという可能性もあります。
特に日本は戦後米国からパンと牛乳が入ってきて、学校給食で供給されました。食糧難を防ぐことに役立ちましたが、今は戦後のような食糧難は解消されているにも関わらず、その流れが今もそのまま引き継がれているということが問題になっています。
農薬の影響
遺伝子組み換えによって農薬に強い小麦が出現し、生産性をあげるために農薬の散布量が増えている問題もありますが、これ以外に日本への輸送の段階でもポストハーベストと言われる農薬が問題となっています。輸送時にコンテナ内で腐ったり、害虫がつかないように散布されるのです。その農薬はかなり危険性の高いものが使われているという現状があります。
催奇形性や生殖機能を落とす作用があると報告されているものが使われています。
現代の小麦自体がどんなものなのか?
今の身体の不調は本当にグルテンが悪さをしているのか?それとも遺伝子組み換えが悪さをしているのか?農薬が悪さをしているのか?
実は今の段階では分かっていない状況です。
小麦が入っている食品というのは非常に多くあります。
外食をすればほとんど入っていますし、スーパーで売られている食品の成分表示を見ると多くのものに小麦粉が使われています。
食品にトロミを出したり、コクを出したりするのにも小麦が使われていて「小麦が使われているのかいっけん分からない」ということもよくあります。
知った上でどう選択するのか?
今の小麦がどういったものか、グルテンの作用を知り、知った上で「どうするのか?」ということが私たちにとって重要な選択になります。
現状を知った上で一つの方法として「小麦を止めてみて」どうなのか?を試してみる価値は十分にあるのではないかと思います。
小麦を止める「グルテンフリー」を実践してみることで、身体が元気になるということであれば、身体にとっては価値のあることではないでしょうか。
より優れた品質のものを作るために
例えば、雑草よりも農薬に強い植物といったようなものがどんどんと出来てきています。
植物自体が農薬に強くなったために「農薬をたくさんかけても大丈夫」ということになり、農薬の使用量も増えていきます。
散布するときもヘリコプターを使ったり、農薬を製造する際には化石燃料(石油)を使ったりと地球環境に負担をかけています。
また、遺伝子組み換えによって本来の植物では無い植物が育っているので地球環境が大きく変化しています。
グルテンフリーが地球環境に影響?
グルテンフリーはいっけん地球環境問題とは関係の無いようなことですが、大きな視点でみると地球にもいい影響があるのかもしれません。
生成過程で地球環境に負荷を与えている小麦のような食品の摂取を避けることで「需要」が無くなれば生産する必要性も無くなるので、地球環境にとってもいい影響があるかもしれません。
また、病気自体も少なくなっていく可能性もあります。
ライフスタイルの変化
現代社会では常に忙しい、食べる時間が無いという方が多いのではないでしょうか。
そのため簡単に食べることができて、手軽なものが求められてきています。その背景には「よりたくさん作られて、安定して供給できる」ということがあります。そういった要望に小麦は対応しやすいのかもしれません。
加工されたお弁当やお菓子といったものを食べ続けることで血糖値、脂質が高くなるということも起きています。
今一度、ご自身のライフスタイルを見つめなおしていただいて、自分がどんな暮らしをしていきたいのか?
そういったことに目を向けながら、食事や生き方の改善ができていくと良いのではないかと思います。
グルテンフリーをまずはやってみる
最近では流行の一つとしてグルテンフリーを実践する方、ファッションとして取り入れるというような方もいらっしゃいますが、どのようなきっかけであっても、実践してみるというのは良いことだと思います。
もしお試しであっても身体の調子が良くなったということを実感できるかもしれません。
自然なものが少なくなっている
小麦に限らず、世の中の食物は自然なものが圧倒的に少なくなっています。
できる限り、自然なものを取り入れるように意識をすると同時に、ご自身がどのような生き方をしたいのか?ということに焦点を当てて生活することで、身体も心もいい状態にするということにつながるのではないでしょうか。
[文:一悟術|自分を縛りつけているものから解放され、思い描いた人生を生きる道(https://www.ichigojyutsu.com/)]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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