管理栄養士が教えます!トランス脂肪酸との付き合い方
トランス脂肪酸はカラダに悪い?
トランス脂肪酸のカラダへの影響
トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らしてしまう働きがあることがわかっています。さらに、その働きは肉やバターなどの飽和脂肪酸を摂ったときよりも影響が大きいと考えられています。
悪玉コレステロールが増えすぎると、動脈硬化の原因のひとつとなり、心筋梗塞や狭心症・脳梗塞などの動脈硬化性疾患を引き起こす可能性があります。
日本人は大丈夫?
厚生労働省のトランス脂肪酸に関するQ&A のページ(※1)によると、日本人より摂取量が多い諸外国の研究報告では、トランス脂肪酸の過剰摂取により、心筋梗塞などの冠動脈疾患が増加する可能性や、肥満やアレルギー性疾患についても関係があることがわかってるとされています。
しかし、日本人のトランス脂肪酸の平均的な摂取量は少なく、通常の食生活では健康への影響は小さいとも考えられています。ただし、脂質の摂取量が多かったり、菓子パン、洋菓子をよく食べたりするなどの偏った食生活の方は注意が必要と言えるでしょう。
トランス脂肪酸との付き合い方
基準値
世界保健機関(WHO)やアメリカなどの基準では、トランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えることが推奨されています。
日本人の平均的な摂取量は0.3%程度とこの基準を大きく下回っていることもあり、具体的な目標値はありませんが、この1%エネルギー量よりも少なくすることが勧められています。
日本人の1日の平均エネルギー摂取量は1900kcal程度であり、1%に相当するトランス脂肪酸の量は約2グラムとなります。(※1)
食品に含まれる量(※2)
食品名 トランス脂肪酸量(100g中)
マーガリン(市販品) 5.5g
ショートニング 13.6g
クッキー 1.9g
パイ 4.8g
コーン系スナック菓子 1.7g
マヨネーズ 1.2g
クリーム 3.0g
食生活で気を付けること
上記の表を見ても、1回で食べる量を考えると、1日2グラムの基準はなかなか超えません。ですが、マーガリン大さじ1杯程度+スナック菓子1袋を食べると2.19gとなり、あっという間に超えてしまいます。
こういった場合、トランス脂肪酸だけでなく脂質の摂取量も多くなってしまい、カロリーオーバーにも繋がってしまいます。トランス脂肪酸だけに気を付けるのではなく、脂質の量を抑えるように気をつけてみると、トランス脂肪酸の摂取量も自然と抑えられそうですね。
トランス脂肪酸は、パンや洋菓子、揚げ物に含まれるものが多いので、ご飯食やシンプルな和食、和菓子などを選ぶように気を付けてみても良いですね。食事のバランスを見直して、脂質を摂りすぎない食生活を心がけましょう。
【参考・参照】
(※1)厚生労働省 トランス脂肪酸に関するQ&A(最終閲覧日:2021/01/26)
(※2)食品安全委員会 食品に含まれるトランス脂肪酸の評価基礎資料調査報告書(最終閲覧日:2021/01/26)
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[文:あすけん 管理栄養士 公開日:2020年5月4日]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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