なぜあまり食べていないのに太るの?正しいダイエットのススメ
1. 胃腸の働きが弱い
「洋ナシ型肥満・痰湿(たんしつ)」タイプ
気になる症状: 主に皮下脂肪型肥満、痰が多い、むくみ、頭重、熱が発生すると食欲旺盛、便秘、赤ら顔、口の渇き
「洋ナシ型肥満」(皮下脂肪型肥満)は腰まわり、太もも、お尻など、主に皮下組織に脂肪が蓄積し、下半身の肉づきが良くなるタイプ。皮下脂肪がつきやすい女性に比較的多く見られます。
「脾胃(ひい)」(胃腸)の働きが弱い、あるいは暴飲暴食、冷たいものや水分の摂り過ぎなどで胃腸が弱っています。水分代謝が落ちて体内に「痰湿(たんしつ)」(余分な水分や汚れ)が溜まりがちになり、いわゆる「水太り」のような皮下脂肪の多い「洋ナシ型肥満」を招いてしまうのです。
このタイプは、過食に注意してバランスよく栄養を摂る、冷たい飲食は控えるなど、脾胃に負担をかけない食生活を心がけることが大切。
また、痰湿は長く停滞すると体内に余分な熱を生み、便秘や食欲増加を招いてしまうことも。すると、さらに「太りやすく痩せにくい」体質になってしまうので、溜まった痰湿や熱は早めに取り除くよう心がけましょう。
「摂り入れたい食材」
利水作用、通便作用のある食材を積極的に:冬瓜、苦瓜、竹の子、もやし、春雨、はと麦、大根、蓮の葉、こんにゃく、ところてん、海草類、とうもろこしの髭茶 など
2. ドロドロ血で血行が悪い
「リンゴ型肥満・瘀血(おけつ)」タイプ
気になる症状 : 主に内臓脂肪型肥満、顔色が暗い、しみが多い、痛みの症状(頭痛、生理痛、関節痛など)、しこり(乳腺症、子宮筋腫、脂肪肝など)、舌の色が暗く瘀点・瘀斑(黒い点やしみ)がある
リンゴ型肥満(内臓脂肪型肥満)は内臓脂肪が過剰に蓄積し、ウエストまわりが大きくなるタイプ。比較的男性に多く、一見太って見えないので「隠れ肥満」と呼ばれることも。
※簡易な目安:ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上
油っこいものや甘いものの摂り過ぎ、慢性疾患、加齢などが原因で、ドロドロ血の「瘀血(おけつ)」(血行不良)を起こしています。ドロドロ血は血中の脂質(中性脂肪やコレステロール)が高いため、放っておくと脂肪が溜まりやすく、内臓に脂肪がつく「リンゴ型肥満」を招きやすくなります。
このタイプの肥満は、動脈硬化症や狭心症、脳梗塞、糖尿病といった生活習慣病につながりやすいので要注意。
油っこい食事は控えて腹八分目を心がける、血液サラサラ食材を積極的に摂るなど、血流をスムーズに保つよう心がけましょう。また、適度な運動を心がけ、身体全体の代謝を上げることも大切です。
「摂り入れたい食材」
血液サラサラ食材で血流を良く:玉ねぎ、ピーマン、なす、もずく、ひじき、うこん、酢、サンザシ、そば、紹興酒、ひまわりの種 など
3. 食べないのに太りがち
「虚弱」タイプ
気になる症状太り気味、痩せにくい、疲労感、息切れ、汗が多い、かぜを引きやすく治りにくい、食欲不振、軟便、下痢、眠くなりやすい、冷え症、腰痛、舌の色が淡く苔が白い
東洋医学でいう「気」とは生命活動を支えるエネルギーのこと。「脾胃(ひい)」(胃腸)の働きが弱いと、食事の栄養から「気」を十分に生み出せないので、身体の根本的なエネルギーが足りず基礎代謝が低下しがちになります。疲れやすく、身体を動かすことも億劫に。
その結果、脂肪を十分に燃焼できず「あまり食べていないのに太る」という状態を招いてしまうのです。
日頃から疲れやすく、年をとって痩せにくくなった…。そんな人は、このタイプに当てはまることも多いので気を付けて。
脂肪をしっかり燃焼できる「太らない体質」をつくるためには、体内の気を充実させることが大切。痩せようとして無理に食事制限をすると、さらに気が不足してしまうので注意しましょう。
「摂り入れたい食材」
脾胃を養い、消化吸収の働きをアップ:きのこ類、山芋、くるみ、ごま、松の実、クコの実、なつめ、赤身肉、りんご、キャベツ、米、落花生、かぼちゃの種 など
[文:meilong スタッフ]
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meilong 院長・石川美絵(いしかわ・みえ)
大学では栄養学を学びテレビ局、IT企業、広告代理店などに勤務し、20代後半時の大きな人生の挫折から東洋医学の世界に出会う。鍼灸と漢方の奥深さに魅かれ鍼灸学校に入学し国家資格鍼灸師免許を取得。学生時代は40院の経営兼柔道整復師・鍼灸あん摩指圧マッサージ師でもある先生のアシスタントをし、国家資格取得後、北京中医薬大学卒でもある鍼灸30年の先生から技術を取得する。さらに美容鍼灸のパイオニアに師事し、世界で活躍する日本鍼灸の技術に刺激され研究を重ねる。さらに200件以上の治療院・クリニック・スパ・エステなどを周る。ホテル椿山荘の鍼灸治療施設「KENBITOKYO」、「東方健美」へ勤務した後、2014年、四谷に紹介制治療院Meilongを開業。
世に鍼灸を広めたく2015年meilong恵比寿院をオープンし、続けて2017年meilong恵比寿mana院をオープン。2019年meilong銀座院もオープン。
千葉大学医学部附属病院の和漢診療科での研修、漢方医、各専門分野の医師との連携もし日々、情報交換、学会への参加も努めている。また自分自身が不妊治療をし鍼灸と漢方も併用し子を授かったが途中、死産分娩を経験している事、さらに不育症からの妊娠を維持する為の体験、知識もあり不妊治療にも寄り添いたいという想いも強い。世の頑張っている女性の一番の味方でありたいと思っている。