月経を知れば生き方も変わる③ ~定期健診で病気予防を。健康のためにすべきこと~
多くの日本人女性が抱えている「月経」、つまり「生理」に関する悩みと、心と体に起こる不調。生理中の不快な症状だけでなく、生理前から起こるさまざまな不調をPMS(月経前症候群)、PMSよりも精神的な不安定さが際立つ症状はPMDD(月経前不快気分障害)とされ、女性特有の現代病とも言われています。
2回にわたり、生理やPMS・PMDDによって起こる体の変化、辛さを軽減するために今すぐできること、低用量ピルの服用についてご紹介してきました。今回は、女性特有の病気予防と、コロナ渦で注目を集まる「オンライン診療」について、スマルナ医科歯科レディースクリニックOSAKAの中村葵先生に伺いました。
驚くほど低い受診率。予防への意識を高める
Q :日本は検診の受診率が低いと言われていますね。
中村:「保険制度の充実、医療制度の問題、いろいろあると思いますが、諸外国と比較しても予防に対する意識は低いと感じています。妊娠して初めて産婦人科に行き、子宮の病気が見つかった、癌がすでに進行していたため子どもを諦めたという方がいたり、何十年も生理痛に悩み苦しみ我慢して…実は子宮内膜症だったり。定期健診を受けていれば、もっと早く気付けたのに…そう思うことは本当にたくさんあります。検診とワクチン接種により、他の国の一部では撲滅に近いと言われる子宮頸がんは、将来的には日本だけの病気になるかもしれないとも言われています。それぐらい、日本人女性の婦人科系病気の検診受診率は低い現状にあります。決して女性でなく、男性も同様に受診率は低く、中には病気が怖くて検診に行けない…という方もいるようですが、行かない方が怖いということに早く気づいてほしい。私たち医療側の立場からすると、予防の重要性を発信し、もっと気軽に相談できる環境を整えていきたいと思っています。」