【医師が解説】夏は疲労蓄積しやすい季節!回復に効果的な方法とは?
4.疲労回復におすすめ!飲むだけでOKの漢方薬
①補中益気湯
別名「医王湯」とも言われるこの漢方は、疲れにはこれ!という代表的な漢方です。名前の通りに体の生命エネルギーである「気」を補ってくれる漢方です。人参や黄耆といった気を補給してくれる生薬や当帰といった血を補ってくれる生薬が入っています。また、この漢方の特徴は、升麻と柴胡という2つの生薬が入ることで「升提効果」と言われる落ちた気をあげてくれる作用が入っていることです。ちなみに、気だけでなく色々なものをあげると言われ、子宮脱にも効果があるというのは面白いですね。
②十全大補湯
さて、前にあげた補中益気湯は、普段元気な人が疲労感を感じている際の処方です。それに対し、術後や高齢者の方などかなり体力が落ちている人にオススメの漢方は、十全大浦湯になります。こちらは、疲労強く顔色も悪い、皮膚が乾燥していて寝汗をかくこともあるというような気も血もかなり不足している状態に用いられます。人参や黄耆といった気を補う芍薬に加え、芍薬と地黄の組み合わせにより血を補います。
③加味帰脾湯
上の二つとは少し系統が違い、これは精神的疲労が多い女性向けの処方です。些細なことが気になったり、色々考えてしまい、なかなか寝付けない、更年期障害を伴っている方にはぜひ試していただきたい漢方です。上2つと同様、気を補う生薬も入っていますし、その上で気を巡らしてくれる作用があるため、ストレスを軽減してくれる作用があります。生姜や朮も構成成分に含まれるので、胃腸にも優しい漢方です。
5.漢方薬のメリットとは?
さて、今回ご紹介した漢方薬は、疲労感に有効というものでしたが、イライラしやすい、痩せにくい、頭痛持ちである、胃がすぐに痛くなる、などの症状を、体質から根本的に改善したいときにも、漢方薬は効果的です。
症状を和らげるだけの対症療法ではなく、体質自体の改善に働きかけるため、根本的な解決につながるのが利点です。同じ症状を繰り返したくない方に向いてますよ。
食事や運動に気を遣っていてもなかなか改善しない、という場合は、医薬品として効果が認められた漢方の力を借りて、体質から改善するのが有効です。毎日飲むだけで効果を実感できるので、手間なく気軽に継続できるのも大きなメリットです。
ただし、漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶ事が大切です。体質に合っていない場合は、効果が出にくかったり、逆に副作用が出ることもあります。購入時にはできる限り漢方に精通した医師、薬剤師等にご相談ください。
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6.休んでも疲れがとれない場合は病院へ
一口に疲労といっても、理由は多岐にわたり、時には感染症やホルモン異常などが原因の場合もあります。休んでも疲れがとれない、睡眠障害や食欲不振の症状も出ている、という方は我慢せずに病院を受診することをお勧めします。
7.生活習慣の改善と飲むだけでOKの漢方で疲労知らずの体質を目指しましょう
生活習慣を整え、適度な運動とリフレッシュを心がけることで疲労を解消し、疲労をためにくい体質を作っていきましょう。
[文:あんしん漢方]
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<この記事を書いた人>
健康スポーツ医/漢方医/精神科医 木村好珠
渋谷金王坂クリニック非常勤医、一般社団法人国際統合治療協会理事
医学部在学中より東洋医学を学び、精神科と東洋医学科が充実している慶應大学病院での勤務を経て、西洋薬の即効性等と漢方薬の根本的な治療をバランスよく使い分ける事を信条とする。
渋谷の漢方内科で非常勤医として勤務する傍ら、テレビや雑誌、インターネットテレビ、Webメディアなどで、精神疾患、心理学、生活習慣病など様々なテーマを精神科医・漢方医の立場で解説も行う。
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